宇宙飛行士は、そう簡単になれるものではない。だが、火星に似た環境で知られる、北極圏にあるカナダのデヴォン島を、誰もが「ストリートビュー」で探検できるようになった。Googleが米国時間3月25日にブログで明らかにした。
もちろん、宇宙服は不要だ。
デヴォン島をストリートビューで見ると、岩だらけで何もない広大な景色が無限に広がっているのがわかる。水平線の上には雲が低く垂れ込め、地面にはATV(全地形対応車)の走行した跡が残っている。この走行跡の大半は、将来の火星探査の準備としてこの島で活動している研究チームが残したものだ。
火星研究所の所長で「ホートン火星プロジェクト(HMP)」のディレクターを務めるPascal Lee氏は、火星で何が必要になるのかを予測するため、デヴォン島でさまざまな技術の実験をチームで行っている。
たとえば、火星は大気が薄いため、飛行機を飛ばすのは難しく、ドローンのほうが適しているだろう。また、着陸時にはかなりの揺れが起こると予想される。
デヴォン島の風景は火星ときわめて似ているため、未来の宇宙飛行士は、すぐに火星に馴染めるようになるかもしれない。
「火星に初めて降り立った人は、『なんてこった。ここはわれわれが訓練していたデヴォン島そっくりじゃないか』などと言うのではないかと私は想像している」とLee氏は動画の中で述べている。
世界最大の無人島であるデヴォン島に行くには、米国からだと飛行機を6回乗り継いで3日間かかる。だが、ストリートビューならワンクリックだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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