ソニーは3月25日、同社がharmo(ハルモ)ブランドを付して運営する電子お薬手帳サービス事業に関し、シミックホールディングスの連結子会社であるシミックヘルスケアへと承継する正式契約を締結したと発表した。
同取引は吸収分割の形式で実施され、両社は6月1日を目途に同取引を完了することを目指す。
また同社は、2014年より開始したスタートアップの創出と事業運営を支援する「Sony Startup Acceleration Program」の事業育成の枠組みを活用し、シミックホールディングスの各事業および、承継後のharmo事業に対して支援を行う「技術支援契約」をシミックホールディングスと締結した。
harmoは2011年秋より約5年間におよぶ試験サービスを経て、2016年夏に医療・健康情報連携プラットフォームを活用した具体的なサービスとして商用化を開始。2019年3月現在、約850の薬局と80の医療機関にシステムが導入され、日々約30万人が利用しているという。
同社によると昨今、医療のICT化や蓄積される情報の利活用が求められる社会環境の中、harmoサービスの利用者も増え、情報の連携を行う実用的な手法として医療・ヘルスケア業界からの期待や要望が大きくなってきたという。一方、harmoでは、サービスの持続可能性を担保するためのビジネス検討として、特定の薬の服薬者に対する緊急安全性情報の送付や患者のQOL調査の実施など、harmoならではの情報配信の仕組みで利用者の健康向上に寄与する新しい枠組みの実証を重ねてきた。
これまでの実績に鑑み、今後より医療・ヘルスケア業界および、利用者に寄り添ったサービスを創出し、社会課題解決型ビジネスを推進していくことを目的として、日本の医療・ヘルスケア業界を多面的に支えるシミックヘルスケアへの事業承継を決定したという。
なお同社は、同取引にあたり、harmoサービスを利用している一般利用者や薬局を始めとする医療関係者に間断なくサービスを提供し、支障が発生しないように取り組む。また、事業承継後もharmoのシステム開発やサービス運用に携わってきた社員がシミックヘルスケアにて継続してharmo事業に参画すると共に、新たに締結した技術支援契約により、さらに質の高いサービス創出をサポートするという。
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