英国の諜報機関である政府通信本部(GCHQ)が、創設100周年を記念して、第2次世界大戦中に使用された有名な暗号機と暗号解読機のエミュレータを公開した。
We've brought technology from our past into the present by creating emulators for Enigma, Typex and The Bombe in #CyberChef. We even tested them against the real thing! Try them out for yourself!https://t.co/OxLcQQbePa#GCHQ100 pic.twitter.com/t2ixVE6j7H
— GCHQ (@GCHQ) March 14, 2019
GCHQは先週、「CyberChef」向けに開発された「Enigma」「Typex」「Bombe」のシミュレータを介して、誰もがこれらの機械を試せるとTwitterで発表した。CyberChefは、GCHQのオープンソースの無料ウェブアプリで、データの操作や、Base64方式のエンコード、データの圧縮と解凍、バイナリや16進ダンプの生成といった操作の実行ができる。
Enigma(エニグマ)暗号機は、第1次世界大戦の終結直後にドイツの技術者Arthur Scherbiusによって考案された。通常のタイプライターのような外観のEnigmaは、メッセージの暗号化や暗号解読に用いられた。
Enigmaでは、キーを押すたびにローターが回転し、メッセージの暗号化に使用される暗号鍵がたえず変化して、103セクスティリオン(セクスティリオンは10の21乗)通りの組み合わせを提供する。そのため第2次世界大戦中のドイツ軍は、この暗号システムが解読されることはないと信じていた。
Enigmaは最初にポーランドで解読されたが、戦争が差し迫るなかで、英国でも解読に着手した。映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』で描かれたように、Dilly Knox、Tony Kendrick、Peter Twinn、Gordon Welchman、Alan Turingがブレッチリーパークで暗号解読に取り組み、1940年1月に解読に成功した。
解読を可能にしたのは、暗号解読機Bombeだ。Bombeは、大戦中にEnigmaを使って暗号化された軍事作戦関連のメッセージを解読するのに用いられた。
Typexは、英国空軍のために1934年に開発された、英国版のEnigmaだ。BombeでEnigmaを解読できるようになると、Typexの別モデルが、手動によるメッセージの解読に使われるようになった。
CyberChefは、GitHubで提供されており、同アプリを通じて、Enigma、Bombe、暗号機「Typex」の各シミュレータ、およびそれらの使用説明と練習問題が入手できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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