米国時間3月25日に予定されているAppleの特別イベントが間近に迫ってきた。今回は、新しい動画配信サービス、雑誌のサブスクリプションサービス、クレジットカードが発表されると予想されているほか、次の大きな製品発表についても何らかのヒントが示されるかもしれない。
いろいろとうわさが飛び交う時期を経て、Appleは太平洋時間3月25日午前10時に開催する発表イベントの公式な招待状を送付した。開催場所は、クパチーノ本社のスティーブ・ジョブズ・シアターだ。招待状には、「It's show time(ショーの始まりだ)」というあおり文句が書かれ、ハリウッドのクラシック映画でおなじみの白黒のカウントダウン映像が続いている。これも、今回のイベントで動画配信が焦点になることを暗示する演出だろう。
BuzzfeedやBloombergといったメディアが3月25日のイベントを取り沙汰する以前から、米CNETも春にはAppleから何らかの発表があるものと予測していた。同社は2018年にも、3月の最終週にシカゴで「iPad」のイベントを開催しているからだ。ただし、今回のイベントで鍵になるとみられているのはiPadではなく、他のハードウェアでもない。報道によると、最大の話題は、Appleが始める新しいサブスクリプションサービスだという。
初めてそのうわさがあってから、1年以上の月日と10億ドル以上の資金をかけて、Appleは新しい動画配信サービスを発表する準備を整えたようだ。同社が、Netflixのような配信サービスに向けてオリジナルコンテンツの立ち上げを進めているというのは公然の事実になっている。ドラマからコメディ、シリーズもののドキュメンタリー、子ども向けまでオリジナル番組25本以上のライブラリを揃えるという。有名どころでは、Oprah Winfrey、Reese Witherspoon、Jennifer Aniston、Jennifer Garnerの各氏や、監督のJ.J. Abrams氏、Stephen Spielberg氏などの名前があがっており、何人かはAppleのイベントに姿を見せるかもしれない。
だが、たとえAppleといえど、NetflixやHulu、Amazon Prime Videoといった先行のサービス、さらにはDisneyまでがユーザーの視聴時間を競い合っているなかでは、苦戦を強いられそうだ。それが分かっているからこそ、Appleはオリジナルシリーズ以上にコンテンツを広げることを模索しているのだろう。先週Bloombergが報じたところによると、AppleはShowtime、HBO、STARZなどの大手テレビ局に同社サービスへの参加を持ちかけているという。また、ユーザー獲得のためにフリーミアムプランも検討している可能性がある。市場調査などを手がけるBTIGのアナリストRich Greenfield氏の予測によると、「iOS」ユーザーにはAppleのオリジナル番組が無料で提供され、他のプロバイダーによる番組を追加するための有料のサブスクリプションがオプションとして用意されるのではないかという。具体的な料金プランなどは、イベントで明らかになるだろう。
もうひとつ大きいサービスとして発表されそうなのが、ニュースのサブスクリプションサービスだ。現在の「News」アプリで、各種発行元(雑誌、新聞)のコンテンツを読めるようになる有料のサブスクリプションプランになる。The New York Times、The Washington Post、The Wall Street Journalをはじめとする大手報道機関が、このサービスへの参加についてAppleと協議中だとうわさされている。だが、The Wall Street Journalの報道によると、発行元は契約を渋っているともいう。Appleがこのサービスによる売り上げの50%を受け取るという意向を示しているからだ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」