「i7は“完全なロボット”へのステップ1」--ルンバの生みの親、ロボットの理想を語る

近藤克己 (プラスワン・クリエイティブ)2019年03月15日 09時00分

 アイロボットジャパンはロボット掃除機「ルンバ」シリーズ最上位モデルの新製品「ルンバi7」と「ルンバi7+」の販売を開始した。iRobot 会長兼CEOであり、ルンバの生みの親のコリン・アングル氏は新製品のi7シリーズを「長年の夢が実現した製品」と説明する。

 新シリーズによってアイロボット社のロボット事業はどう変わるのか、われわれユーザーの生活はどう変化するのか。アングル氏に、i7シリーズがもたらすロボット事業の未来などについて聞いた。

iRobot 会長兼CEOであり、ルンバの生みの親のコリン・アングル氏
iRobot 会長兼CEOであり、ルンバの生みの親のコリン・アングル氏

アングル氏が目指した“完全なロボット”とは

--約20年前、ロボット掃除機の開発に取り掛かった時に夢見ていたビジョンが今回の新製品で実現したとのことですが、具体的にはどういうことでしょうか。

 ロボットの役目は、人間の代わって家事などの仕事をすること。私が考える完璧なロボットとは、人間が指示したあとは操作する必要がないどころか、確認する必要もないものです。しかし実際には、ロボット掃除機がカーペットの縁で立ち往生しているのを助けたり、掃除するたびにブラシの手入れをしたりと、頻繁に人間の手を煩わせていました。

ルンバi7+は、ルンバi7に充電ステーション(ホームベース)を兼ねた「クリーンベース」と呼ばれる自動ゴミ収集機がセットになっている
ルンバi7+は、ルンバi7に充電ステーション(ホームベース)を兼ねた「クリーンベース」と呼ばれる自動ゴミ収集機がセットになっている
ゴミを吸引するための口がついている
ゴミを吸引するための口がついている

 ルンバも、カーペットの段差を乗り越えられるようにするなど、世代を経るごとに人手を煩わせるシーンを減らしてきましたが、集めたごみ捨てだけはどうしても人間が毎回行う必要がありました。

 その課題をi7+でようやく解決できたのです。ルンバが1日の掃除を終え、クリーンベースと呼ばれる自動ごみ収集機能付きの充電ドックに戻ると、自動的にルンバ本体のダスト容器からゴミを吸い上げる仕組みです。クリーンベースにはダスト容器30杯分のゴミを収納できるので、1週間に1~2回の掃除ならば1年間はまったくゴミ捨てをする必要がなくなります。吸い込まれたゴミは密封型の紙パックにたまり、ゴミに触ることなくそのまま捨てられます。ゴミ捨ての時にホコリが舞い散ることもありません。

ゴミに触れることなくパックのまま捨てられる
ゴミに触れることなくパックのまま捨てられる

 新たに搭載したナビゲーションシステム「Imprintスマートマッピング」も、昔夢見たビジョンに近づく大きな一歩となっています。このスマートマッピングにより、ルンバは家中の間取りや家具の位置を正確に記憶するので、常に最適なパターンで効率的に各部屋を掃除できます。それぞれの部屋に名前を付けられるので、今日はリビングだけ、明日は寝室も一緒にと、家庭の内情に合わせた清掃スケジュールが立てられるのも特長の一つです。

新たに搭載したナビゲーションシステム「Imprintスマートマッピング」
新たに搭載したナビゲーションシステム「Imprintスマートマッピング」

 スマートスピーカーと連携できるので、リビングを汚してしまったときには「ルンバ、リビングを掃除して」と音声で命令するだけでルンバが掃除をしてくれるので、アプリの操作すら必要ありません。マップは10個まで記憶できるので10階建ての建物にも対応できます。ルンバを別のフロアに運んだら数秒以内に今何階にいるとルンバが自動認識し、そのフロアの間取りに合った最適な掃除ルートで効率的に掃除してくれるのです。

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