アップルは「App Store」で競合他社を不利に--Spotify、欧州委に苦情申し立て

Joan E. Solsman (CNET News) 翻訳校正: 編集部2019年03月14日 11時13分

 Appleは「App Store」で競合企業に不利な条件を課し、イノベーションを阻害し、競争を抑制していると、Spotifyの最高経営責任者(CEO)を務めるDaniel Ek氏は米国時間3月13日の投稿で述べた。世界最大の音楽配信サービスを展開するSpotifyは同日、欧州の規制当局に苦情を申し立てた。

提供:Spotify
SpotifyのCEO、Daniel Ek氏
提供:Spotify

 「Appleは、ことあるごとに不当な優位性を得るための措置をとり続けている」とEk氏はメモの中で述べた。

 Appleにコメントを求めたが回答は得られなかった。欧州委員会(EC)の関係者は、Spotifyの申し立てを受理したことを認め、標準的な手続きに従って審査すると述べた。

 AppleのApp Storeに対する不満を数年前からくすぶらせているSpotifyは、AppleがSpotifyに直接的に競合する企業であることと、強力なアプリマーケットプレイスを保有していることの両方の立場を乱用していると主張している。Spotifyは2016年、競合する自社サービス「Apple Music」の強化を図っていたAppleが、Spotifyを阻害するためにSpotifyの「iOS」アプリのアップデートの承認を拒否したと主張した(Appleはその訴えを否定し、Spotifyは優遇措置を求めていたと述べた)。より最近では、Appleが一部のアプリ決済に課す30%の手数料について苦情を訴え、Appleはそれを競合企業を抑制するための手段として利用していると主張した。例えば、ユーザーがSpotifyアカウントを無料版から有料版へとアップグレードする場合に、その手数料が適用される。

 「Appleは、選択肢を意図的に制限してイノベーションを阻害する規則をApp Storeに導入し、ユーザーエクスペリエンスを損なっている。同社は基本的に、プレーヤーと審判の役割を同時に演じることによって、他のアプリ開発者らに故意に不利益を与えている」とEk氏は述べた。

 Ek氏はさらに、同社が欧州委員会に苦情を申し立てたのは、問題の解決に向けてAppleと直接対話を試みたものの、不首尾に終わったことを受けての措置だとした。

 Ek氏は特に、AppleがApp Store経由で行われたアプリ内課金に課している30%の手数料について、その不当性を強く訴えた。Spotifyは、Appleの顧客が「iPhone」向けアプリ内で同社のサブスクリプションサービスに登録した場合に、追加料金を請求するか、手数料分の収益減を甘んじて受け入れるか、どちらかの選択を迫られていると同氏は主張した。

 一方で、Ek氏によれば、「当社がこの手数料徴収を避けるためAppleの決済システムを使わない決断を下した場合、Appleは技術的、あるいはユーザー体験を損なうような制約を次々とSpotifyに適用してくる」という。さらにAppleはSpotifyと顧客との意思疎通を制約し、場合によってはSpotifyからAppleユーザーへのメールをブロックすることもあるとのことだ。

 「Appleはまた、当社がユーザー体験向上のために行っているアップグレードについても、しばしば妨害している。一例を挙げるなら、Spotifyをはじめとする同業他社は、『Siri』『HomePod』『Apple Watch』などのAppleのサービスから徐々に閉め出されている。当社は特別扱いを求めているわけではない。ただ、『Uber』『Deliveroo』をはじめとするApp Store上の数多くの他のアプリと同じ扱いを求めているだけだ。こうしたアプリはApple税を課されることはないため、当社のような制約を受けていない」と同氏は述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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