NTTドコモと富士通は3月12日、妊産婦が診察後にエコー画像など診療情報の一部をスマートフォンで参照できる「妊婦健診 結果参照サービス」を提供すると発表した。
妊婦健診 結果参照サービスは、ドコモが開発・運用している「母子健康手帳アプリ」と、産科医療機関の電子カルテシステム、富士通の健康医療情報管理基盤「Healthcare Personal service Platform」を連携させ、Healthcare Personal service Platformに蓄積した情報を、スマートフォンアプリから一元的に確認できる仕組みを実現したもの。母子健康手帳アプリを通じて、本人同意のもと妊産婦に情報を提供する。キャリアフリーで、アプリはAndroidとiOS向けがある。
富士通は、妊婦健診 結果参照サービスを産科医療機関向けに4月1日より販売を開始する。価格は、初期費用は個別見積で月額費用は3万円(税別)から。患者は無料だ。ビジネスモデルは、「一般的なレベニューシェアモデル。病院からいただくお金をシェアする」(NTTドコモ スマートライフビジネス本部 ライフサポートビジネス推進部 部長の村上伸一郎氏)という。両社は今後5年間で600医療機関への導入を目指す。
これにより、妊産婦は自身のこれまでの健診結果やエコー画像、医師のコメントやアドバイスを、アプリからいつでもどこでも手軽に確認できるメリットがある。産科医療機関は、エコー画像や健診結果などの妊娠経過に関するきめ細かい情報や医師のアドバイスを妊産婦に提供することで、妊産婦とのコミュニケーションを深められるほか、より質の高いサービスの提供につなげられるとしている。
このサービスは、依藤産婦人科医院(静岡県静岡市)、ばらのいずみクリニック(愛媛県松山市)、医療法人社団桜裕会砂町産婦人科医院(東京都江東区)にてトライアル導入済みだ。
各医療機関に通院する妊産婦の希望に応じて、QRコードが記載された登録用紙を配布し、任意で利用する。スマートフォンからいつでもどこでも健診結果を参照できることで、妊産婦から好評を得ているという。また1名だけ家族を「招待」できるようになっており、夫や親族なども自身のスマートフォンから子育て記録を入力したり閲覧したりできる。
母子健康手帳アプリは、NPO法人ひまわりの会とNTTドコモが2016年にリリース。現在では100自治体(2019年4月見込み)と285の医療機関が導入し、好評を得ているという。妊娠週数や月齢に合わせて「今欲しい」情報が届くのも特徴の一つ。情報は、医師や専門家が監修している。
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