米航空宇宙局(NASA)が現在使用している実用的な火星着陸機や探査車を見て、「美しい」または「エキゾチック」とは思わないかもしれない。だがソフトウェア会社のAutodeskとNASAのジェット推進研究所(JPL)が構想した新しいタイプの着陸機は、ゴージャスかつワイルドだ。
Autodeskはジェネレーティブデザイン技術における専門性を生かして、軽量ながら高強度の着陸機を製造し、太陽系で生命体を探すために火星以外の天体に配備するという課題に取り組んでいる。NASAはエンケラドゥス(氷で覆われた土星の衛星)を含めた、木星や土星の周辺にある遠く離れた衛星に着目しているようだ。
Autodeskは、ジェネレーティブデザインのアプローチを採ることによって自然界の進化を模倣できると述べている。さらに、「設計者やエンジニアは、ジェネレーティブデザインのソフトウェアに設計目標のほかに、材質や製造方法、コストの制約といった条件を入力する」とも述べている。このソフトウェアは即座にデザインオプションを作成し、自ら設計したものから学習するという。
AutodeskとJPLが連携して打ち出した着陸機のコンセプトモデルは、4本脚の生物を思わせる本体となっていて、まるでSF映画の小道具のようだ。製造チームは3Dプリンタやコンピュータ数値制御(CNC)フライス加工機、CNC鋳造機を使って、着陸機の物理的モデルを作り上げた。
このデザインの着陸機が地球を飛び立つのはまだ先のことになりそうだ。「今のところ、ジェネレーティブデザインの応用は、公式にはあくまでもJPL内の開発研究プロジェクトの一環と見なされている」とAutodeskは述べている。
この着陸機のコンセプトモデルは、米国時間11月13日から15日までラスベガスで開催中のカンファレンス「Autodesk University」で一般公開されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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