地球は宇宙ゴミの問題を抱えている。廃棄衛星やロケットの部品といった、さまざまながれきが地球の衛星軌道を周回しており、そういったゴミを回収する手段を見つける必要がある。では宇宙に行き、小説「白鯨」の捕鯨船さながらにゴミを銛(もり)で突いてはどうだろうか。
2018年に打ち上げられた衛星「RemoveDEBRIS」は、宇宙ゴミの回収に役立つ可能性のあるテクノロジのためのテストベッドで、「スパイダーマン」のような網でゴミを捕獲できることがすでに示されている。このたび、目標物を首尾よく銛で突いて捕獲できることが実証された。
英サリー大学は米国時間2月15日、8日に行われた検証の詳細を発表し、ゴミが銛で突かれる様子を収めたスローモーション動画を公開した。
RemoveDEBRISは、英国の航空宇宙企業Surrey Satellite Technology、航空宇宙機器メーカーのAirbusを含むグループとの提携により実現した。Airbusは、1.5mのブーム(アーム)を備えている、銛部分のシステムを設計した。このブームは、パネルが端に付いているRemoveDEBRISに配備されている。衛星から銛が発射され、目標物を突くようになっている。
軌道上に集まる宇宙ゴミが多いほど、精密な衛星機器がゴミとの衝突により損傷する可能性が高くなる。これは考慮すべき問題だ。この実験は、宇宙ゴミ回収衛星が地球の軌道上をきれいにすることを目指して前進する道を示すことになるかもしれない。
RemoveDEBRISの最終実験は3月に予定されており、それをもってこの衛星は役目を終える。衛星は地球の大気圏に突入すると燃え尽きるようになっているので、宇宙ゴミにはならないという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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