米民主党はまだネットの中立性を求める闘いを終えたわけではない。Nancy Pelosi下院議長をはじめとする上下院の民主党議員らは米国時間3月6日、2017年に撤廃が決まったオープンインターネット規則の復活を目指す「Save the Internet Act of 2019」を公表した。
2015年から2018年まで維持されたオバマ政権時代の規則は、ブロードバンドプロバイダーがインターネットへのアクセスを遅くしたり遮断したり、高速なアクセスに対して企業に高い料金を課したりすることを禁じていた。民主党議員らは、規則撤廃によって、大手のブロードバンド企業や無線通信企業が「人々のオンライン活動をコントロール」できると主張していた。
Pelosi下院議長は6日、記者会見で次のように語った。「米国民の86%が、ネット中立性に対するTrump(米大統領)の暴挙に反対し、その中には共和党員の82%も含まれていた。Save the Internet Actによって、民主党は人々の意思を尊重しようとしている」
法案は、Edward J. Markey上院議員(マサチューセッツ州選出)と共和党のMike Doyle下院議員(ペンシルバニア州選出)によって提案されている。Markey議員は6日、法案のコピーをツイートした。
Here’s the Save The Internet Act of 2019 that nearly every Senate Democrat joined me in introducing today. 3 pages that will restore #NetNeutrality. Let’s pass it and make the internet free and open again. #SaveTheNet pic.twitter.com/BCYtcmcMe3
— Ed Markey (@SenMarkey) 2019年3月6日
米連邦通信委員会(FCC)はこの法案に対する反応として、インターネットに対する現行の「軽い」規制は成功だったと述べた。
「(今の規制は)2017年に立てられた多くのヒステリックで悲観的な予測、とりわけ、市場原理に基づく規制が『われわれが今知っているインターネットの終焉』をもたらすという幻想が、間違っていることを証明した。現在の米国におけるインターネットは自由で活気がある。いちばん必要なのは、1930年代の厳格な規制からインターネットを解放することだ」(FCC委員長Ajit Pai氏の広報担当者)
共和党主導のFCCは2017年12月に、2015年に制定されたこの規則の廃止を承認した。ネット中立性規則は、インターネット上のすべてのトラフィックを平等に扱うために制定されたものだ。22州の司法長官や複数の活動家グループ、さらにMozillaをはじめとするテクノロジ系企業がFCCを提訴した。原告側は、規則を撤廃したのは恣意的であり、州が独自の保護策を採用することを禁じたのは権威の逸脱だとして、FCCを非難している。
上院少数党院内総務のChuck Schumer議員は声明で次のように述べた。「共和党主導のFCCは、ネット中立性規則を撤廃した時、大手インターネットサービスプロバイダ(ISP)に車のキーを手渡し、米国の家庭や小規模な企業は歩道に立たせたままにした。特定利益集団と大手企業が消費者のインターネットへのアクセス方法を決定できるようにしてはならない。われわれは共和党員に対して、FCCの恐ろしいほど間違った決定に反対する大多数の米国人に加わり、この法案を支持してネット中立性を復活させるよう呼びかける」
Save the Internet Act of 2019 by on Scribd
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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