Appleは、13回目となる年次サプライヤー責任進捗報告書を発表し、教育機会の拡大や地球資源の保護に関する取り組みの詳細などを明らかにした。
同社はそのなかで、労働者の権利と人権についての「重大な違反」が27件検出されたことを明らかにしている。2018年に報告した44件に比べると、その半数を少し上回る程度に抑えられている。そのうち労働時間の改ざんは24件、強制労働は2件だったと報告されている。Appleにとって最も良い知らせはおそらく、健康と安全に関する深刻な違反が見られなかったことだ。問題のほとんどが、健康診断が十分でなかったり、環境に関する許認可が不適切だったりするケースだった。
一方、同社は環境保護に関する新しい目標を達成したと述べている。同社は2018年の報告書で「iPhone」の最終組立工場が埋蔵廃棄物ゼロの認定を受けたことを発表し、2019年版では「iPad」「Mac」「Apple Watch」「AirPods」「HomePod」をそのプログラムに追加したと発表した(同社はリサイクルプログラムも拡大し、新しいiPhone解体ロボットによってその処理をスピード化している)。
Appleが30カ国以上の770のサプライヤー施設を評価した結果は、概ね良好だった。同社は、279の鉱物製錬所と製油業者も監査した。Appleによると、全体で同社が2018年のサプライヤーへの総支払い額で93%に相当する取引先施設を監査したという。
Appleは、同社のサプライヤー監査結果を公表することが他社にとって、従業員を人間らしく扱い、環境基準を高めるための青写真になると述べている。
Appleは2019年版で、労働者への教育に対する取り組みを拡大したと述べている。2007年以来、サプライヤーの従業員1730万人が就業に関する権利について学び、360万人が高度な教育と技能の研修を受けてきたという。また2018年に、Appleのサプライヤー企業で働く1500人以上の従業員が大卒の学位を取得した。
同社は2018年、アプリケーション開発の学習コースを追加した。このプログラムの最初の参加者たちは、業務ツールからゲームまで、40本以上のアプリケーションを開発した。
また環境対策の取り組みの成果については、Appleのサプライヤー各社は3年間で100万トン相当の廃棄物をリサイクルし、2018年には、道路を走る自動車を約10万台減らしたことに相当するほど温室効果ガスを削減した。
未成年者の就労については、偽の身分証明書を使って就労した16歳の従業員を発見したことを明らかにしている。発覚後、問題の未成年者はただちに自宅に返され、サプライヤーから給料を受け取り続けながら、学校に入学した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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