KDDIは3月6日、スマートドローンによる監視や点検など用途別ソリューション提供を、6月より順次開始すると発表した。
スマートドローンとは、モバイル通信ネットワークを利用し、より長距離で安全な利用を可能としたドローンのこと。クラウドと連携した撮影データの送信や、ドローンの位置や状態、飛行ルートの遠隔監視・制御ができる。
今回発表したソリューションでは、このスマートドローンを飛行制御する基盤システムとなる、通信、機体、気象・地図、運航管理の4つのプラットフォームを活用。広域監視、鉄塔点検、風力点検、測量解析、精密農業の5つの分野で提供する。提供開始時期は、広域点検と鉄塔点検の2分野が6月。風力点検と測量解析、精密農業の3分野は、6月以降に順次提供する。
ドローンを導入する際に問題となるのが、飛行に関する法規制だ。また、ドローン飛行時にはデータ伝送が必要となるため、無線局の開局申請も必要となる。今回のソリューションでは、この飛行規制や無線局の申請は、全てKDDIが実施するという。
利用料金については、現段階ではユーザーごとに特化したソリューション提供となるため、各分野で設定した料金はないという。KDDI理事で商品・CS統括本部 副統括本部長の山田靖久氏は、鉄塔点検を例に挙げ、「これまで1基あたり100万円掛かっていたとすれば、その半額くらいで提供できるのではないか」とした。また、売り上げについては、初年度は2桁億円を見込んでいるという。
2016年にスマートドローン構想を発表し、多くの企業と実証実験を重ねてきたというKDDI。一方で、NTTドコモやソフトバンクといった同業他社も、ドローン事業を手掛けている。この点について山田氏は、「ここ1~2年で取り組んだ実証実験において、各ユーザーの求める業務に具体的に対応したソリューションを実現している事業者は、KDDI以外にはないと思う」と、その先進性をアピールした。
また山田氏は、長野県伊那市にて、警備点検や物流、農業や災害地基地局など、地方創成に向けたスマートドローンインフラの実証試験を2019年度より開始すると発表。「地方の活性化に役立てていきたい」と意気込みを見せた。
さらに、通信インフラ事業者として取り組みを進めている5G、そしてAIを組み合わせた「ネットワークにつながり、自ら考え、人をたすけるスマートドローン」についても言及。「リアルタイムかつ大量の映像データを解析することで、より多くの利用シーンで活用できるのではないか」とし、「ますます気合いを入れてソリューションの幅を広げていきたい」(山田氏)と述べた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス