Googleは米国時間3月5日、検閲対応の中国向け検索エンジンを開発する「Project Dragonfly」を続行しているという報道を否定した。
「何カ月も前から述べているように、中国で検索を提供する計画はなく、そのようなプロジェクトには現在取り組んでいない」とGoogleの広報担当者は電子メールで述べ、「チームのメンバーは新しいプロジェクトに移行した」とした。
これは、匿名のGoogle従業員らが、Dragonflyが終了していないことを示す証拠を見つけたと報じられたことを受けたものだ。The Interceptは5日、この従業員らが検索エンジンに関連する一連のコードを見つけたと報じた。12月には500件、1月から2月にかけては400件を超える変更が、このコードに加えられていたという。従業員らは、約100人の従業員がDragonfly関連の「コストセンター」に割り当てられていることも発見したという。
激しく批判された後、Googleの最高経営責任者(CEO)を務めるSundar Pichai氏は2018年10月、Dragonflyが提供開始に至るかどうかわからないと述べ、その後、同プロジェクトは廃止されたと報じられた。
Project Dragonflyはこの1年間で激しい批判を浴びた。2018年8月には、同プロジェクトの存在を知った約1000人の従業員がこれに抗議し、退職した従業員もいた。11月には、従業員らが国際人権団体アムネスティ・インターナショナルと共同で、プロジェクトの中止をPichai氏に求める書簡を公開した。プロジェクトを続行すれば、Googleは中国の圧制に加担することになるとする意見もあった。
検索を電話番号に紐づけることによって政府がユーザーを追跡できるようにすることなど、同プロジェクトの詳細も明るみに出た。10月には米政府までもがDragonflyを問題視し、Mike Pence副大統領がGoogleに対して、直ちに同プロジェクトを中止するよう求めた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス