オムロン子会社のオムロン ソーシアルソリューションズは3月5日、駅における窓口業務の自動化に向け、利用客からの問い合わせに応対する「駅案内ロボット」を開発したと発表した。3月16日より、京王電鉄 井の頭線下北沢駅にて試験運用を開始する。
今回開発したロボットは、同社が独自開発した音声対話型AIエンジンを搭載。多くの人が行き交う雑踏の環境下で正確に利用客の音声を集音し認識する「音声処理技術」と、ロボットが回答している途中に別の質問を受け付ける「割り込み対話機能」を備え、より人と人との対話に近い応対が可能。
また、音声とディスプレーでの文字表示による案内に加え、ロボットが利用客との対話にうなずいたり、体の回転や腕の動きで方向を指し示したりすることで、利用客に分かりやすく親しみがもてるユーザーインターフェースを採用した。
これにより、駅利用客へのサービス向上と、窓口業務の省力化を両立できるという。
同社によると昨今、少子高齢化の進展に伴い労働力人口が減少し、鉄道事業者においても、問い合わせ対応などのサービス提供の維持が困難になると見込まれているという。一方で、利用客のニーズが多様化。より安心・安全・快適で利用しやすい駅サービスの提供が求められており、駅業務のオートメーション化が課題になっている。
そこで同社は、今回の試験運用で実際の利用客との対話を積み重ね、音声対話型AIエンジンの回答精度を向上させるほか、今後、同音声対話型AIエンジンを駅運営に関わるさまざまな機器や設備に搭載することで、駅業務のさらなるオートメーション化に貢献するとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」