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起業は“Why”を磨け--証券会社FOLIO甲斐氏が語る「パッション」の重要性

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 朝日インタラクティブは、ビジネスカンファレンス「CNET Japan Live 2019」を2月19~20日に開催。「新規事業の創り方」をテーマに、新しい切り口で挑む企業の新規事業担当者やスタートアップを招き、さまざまなノウハウを紹介した。

 そのなかで、「『モバイルインターネット X 金融』の破壊的イノベーション」と題するテーマで登壇した、証券会社FOLIO代表取締役CEOの甲斐真一郎氏は、投資を取り巻く市場の状況、そして自らの起業哲学を語った。

キャプション
FOLIO代表取締役CEOの甲斐真一郎氏

「FOLIO」誕生前夜

 甲斐氏の経歴は実にユニークだ。京都大学法学部在学中にボクシングのプロライセンスを取得。卒業後の2006年にはゴールドマン・サックス証券に入社、2010年にはバークレイズ証券へ移った。そしてついに独立・起業。2015年12月に法人としてのFOLIOが生まれた。

 とはいえ、サービスとしてのFOLIOが正式リリースするのは、そこからおよそ2年半後の2018年8月。その間、国内外のベンチャーキャピタルから合計3回、累計91億円の資金調達を実施。8名のメンバーでスタートした企業がいまや従業員100名超。お笑い芸人・松本人志さんを起用したテレビCMもオンエアーされた。

 そのポップな名前からは想起しづらいが、FOLIOは創業から2年で91億円を調達した「オンライン証券会社」である。そして、主軸となる商品が「テーマ投資」。○○商事の株式を1000株買う……といった方法ではなく、ユーザーは「VR(仮想現実)」「寿司」「ペットと暮らす」「京都」など複数用意された中から、投資テーマを選ぶ。各テーマの最低投資額はおよそ10万円から。各テーマは10社の有望企業を投資先としていて、ユーザーから見た場合、比較的少ない持ち出しで分散投資できるメリットがある。

フォリオの特徴である「テーマ投資」
フォリオの特徴である「テーマ投資」

 フォリオが狙うユーザー層は、ズバリ「潜在投資家層」だ。甲斐氏によれば、デイトレードなどに熱心な「投資アクティブ層」が国内約650万人と推計されるのに対し、投資に興味はあるが経験のない潜在投資家層は約2000万人に上るという。

 日本の家計資産が抱える預貯金は950兆円とも言われる。その他先進国に比べて、日本はリスクマネーに流れるお金が非常に少ない。そこで(投資に非積極的な層に対し)いかに態度変容を促すか。平成の30年の間にこれまで多くの金融機関が取り組んできた課題だ。

 結果、既存の証券会社は、主に投資アクティブ層が使いやすいサービスや、魅力的な商品の開発を優先した。潜在投資家層を掘り起こすような施策は自然と後回しになってしまう。投資に興味があっても経験のない人々は、ますます置いてきぼりにされ、客層の分断が進む。

 こういった情勢に対し、甲斐氏は「資産運用の『生活』化」が重要だと語る。潜在投資家層に金融教育を施して投資アクティブ層へ育てるのではなく、そもそも潜在投資家層に易しい・理解しやすいサービスを送り出そうという発想だ。このため、テーマ投資のメニューについても「VR」「人工知能」など、“いかにも”なジャンルだけにすることなく、「寿司」「コスプレ」なども用意した。

 「お寿司が好きだから寿司にテーマ投資する。そんな個人の趣味趣向にあった投資を促したい」(甲斐氏)

 ただし、金融商品だけを一般ユーザー層にフィットしたものに変えるのでは不十分で、金融体験の生活化も重要だとする。フォリオでは、ECサイトで買いたい商品を選ぶような自然なインターフェイスで投資できるよう工夫を凝らした。また、国内で広く普及するLINEアプリから利用できる「LINE スマート投資」も、FOLIOが手がける。今や誰もが使うアプリLINEと、UI/UXデザインを洗練させ誰でも使えるアプリFOLIOの融合で、真に「貯蓄から投資」を促す考えだ。

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