SpaceXが米国時間3月2日早朝に打ち上げた宇宙船「Crew Dragon」が、国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功した。宇宙飛行士を宇宙へ送り出す計画に向けて、また新たに小さな一歩を踏み出した形だ。
「Falcon 9」ロケットの先端に取り付けられたCrew Dragonは、東部標準時3月2日の午前2時49分にフロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられた。この打ち上げは、今後1週間かけてカプセルの能力をテストする「Demo-1」ミッションの第1段階だったが、これは始まりにすぎない。
人間は搭乗していない。Crew Dragon内に搭載されたのは、「Ripley」というニックネームが付けられたダミーの乗員と、カプセルが無重力に達した時にそれが分かるように作られた、地球を擬人化したぬいぐるみだ。カプセルには、今後のミッションをシミュレーションするため、ISSのクルーへの補給物資や機材が400ポンド(約181kg)ほど積み込まれた。
この画期的な打ち上げには、発射台「Pad 39A」が使われた。
SpaceXの最高経営責任者(CEO)であるElon Musk氏は打ち上げ後の記者会見で、SpaceXチームと米航空宇宙局(NASA)の両方に感謝の意を表した。「正直なところ、私は精神的に少し疲れている」「大変な重圧だったが、うまくいった……今のところは」(Musk氏)
カプセルは3月8日までISSにドッキングされた状態を維持し、その後、ほぼ間違いなく最も重要な部分となるデモンストレーションを開始する。それは、地球に無事帰還することだ。
3月3日には、2011年以降閉め切られていたハッチが開き、カナダ人宇宙飛行士のDavid Saint-Jacques氏とロシア人宇宙飛行士のOleg Kononenko氏が、開かれた加圧接合装置を通ってISSの前端に進み出て、Crew Dragonに乗り込んだ。
これは、人類が宇宙空間で初めてCrew Dragonに入った瞬間であり、2011年にNASAのスペースシャトル「Atlantis」がISSの前端にドッキングして以来、何かがこのハッチを通った初めての瞬間となった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」