MS「Dynamics 365」、AIや複合現実の活用拡大--「HoloLens」アプリがモバイルにも

　Microsoftは米国時間2月21日、パリで開催された「Microsoft Business Forward」カンファレンスで、同社が「Dynamics 365」で準備中の新しいビジネスアプリケーションについて発表した。Microsoftによると、人工知能（AI）と複合現実がふんだんに取り入れられている。

提供：Microsoft

　Microsoftはこれまでにも、Dynamics 365のAIと複合現実を活用したアプリケーションのポートフォリオを構築している。これらアプリケーションの次なる一群は、同社が4〜9月に展開するDynamics 365の「April 2019」リリースで提供される見通しだ。

　Dynamics 365で間もなく提供予定のアプリは次の通り。

　モバイル機器向け「Dynamics 365 Remote Assist」。Microsoftはしばらく前から、「Microsoft HoloLens」を活用した「Dynamics 365 Remote Assist」アプリケーションをアピールしてきた。Dynamics 365 Remote Assistの機能がAndroidモバイルデバイスにも拡張され、モバイル向けのRemote Assistはまず「Android」向けプレビューが提供される。Android端末あるいはHoloLensを使って、遠隔地にいるユーザーと協業したり、トラブルシューティングを行えるようにする。またこのアプリは「Dynamics 365 for Field Service」との連携が強化される。筆者が、「iOS」デバイス向けのDynamics 365 Remote Assistアプリの予定についてMicrosoftに問い合わせたところ、顧客からのフィードバックを基に判断すると担当者は話した。

　「Dynamics 365 Product Visualize」。Microsoftは、開発者向けカンファレンス「Build 2018」でこのアプリの計画についてほのめかしていた。Product Visualizeは最初にiOS端末向けのプレビューが提供される。このアプリにより、製造、ヘルスケア、自動車分野などの販売者が、実際の環境で製品を紹介したり、カスタマイズしたりできる。このアプリは「Dynamics 365 for Sales」や「Microsoft Teams」で活用できる。Android端末向けは、顧客からのフィードバックを基に決定するとのこと。筆者が、Androidデバイス向けのProduct Visualizeのリリースや予定についてMicrosoftに問い合わせたところ、顧客からのフィードバックを基に判断すると担当者は話した。

　「Dynamics 365 Virtual Agent for Customer Service」。カスタムの仮想アシスタントを構築するための新しいクラウドサービスだ。 パブリックプレビューを4月に予定している。Microsoftは1月に開催された「CES 2019」で、ユーザーがMicrosoftの技術を基にカスタム仮想エージェントを構築できるよう、一連のテンプレートやベストプラクティスを提供する「仮想アシスタントソリューションアクセラレータ」について述べていた。

　「Dynamics 365 Fraud Protection」。eコマース業者を詐欺から守るための新しいクラウドサービスだ。詐欺による損失の低減、顧客のオンラインショッピング体験の改善などを支援する。パブリックプレビューは4月の予定だ。

　「Dynamics 365 Customer Insights」。顧客に関するインサイトを提供するためのアプリだが、すでに発表済みの「Dynamics 365 AI for Customer Service Insights」や「Dynamics 365 AI for Market Insights」とは異なる。これはデータから得た知見を基に、顧客をつなぎ止め、ロイヤルティを高めることに重点を置いたアプリだ。

　Microsoftは1月21日に、4月5日より顧客への提供を開始するDynamics 365のApril 2019について、リリースノートを公開している。