一見すると、Spheroによる最新のロボット玩具はラジコンカーのように見える。
多くの点で、実際にはその通りだ。Spheroの共同創設者で最高クリエイティブ責任者を務めるAdam Wilson氏は、スマートフォンアプリを使って無限軌道式の小型戦車のようなものを走り回らせた。駆動力を地面に伝えるトラクション能力に優れ、小回りが利き、スピンや旋回もできる。外観も可愛らしく、まるでロボット作成キット「レゴ マインドストーム」から飛び出してきたかのようだ。
おそらくそれも偶然とは言い切れないだろう。「RVR」(「ローヴァー」と発音する)は玩具ではなく、ロボットを組み立てる基盤だからだ。250ドル(約2万8000円)で9月に発売予定のこの新型ロボットは、実際には可動式の基盤のようなもので、ユーザーは後からさらに多くの部品を上部に搭載できる。
RVRは、関心を集めるため「Kickstarter」のクラウドファンディングキャンペーンとして始動した。
RVRで最も興味深いのは、接続できる対象だ。インターフェースを通じて、「Raspberry Pi」のハードウェアや、「micro:bit」または「Arduino」のプロセッサやアドオンと連結できる。Wilson氏によると、Wi-Fi接続されるカメラなど、カスタマイズされた部品も将来的に加わるという。さらにRVRは、ロボットアームや、PythonまたはJavaのプログラムの追加も予定されている。SpheroはSparkFun Electronicsと提携して、RVRで利用できるモジュールをいくつか提供するが、ユーザーが独自の部品を用意してRVRの上部に取り付けることもできる。発想豊かなユーザーなら、理論上は、2000ドル以上するMisty Roboticsの「Misty II」ロボットと同様のツール群を組み立てることで、室内の状況に対応する電動式の小型版Mistyを開発することも可能だ。
RVRを箱から取り出すと、Spheroの多くの球体ロボットと同様、リモートコントロール式ながらプログラム可能な基本ロボットだが、他のロボットよりはるかに簡単に起動する。RVRは2つの赤外線センサに加えて、新たな色識別モジュールも備える。これは、色を音に変換するウェアラブル指輪を製造するSpecdrumsを、Spheroが2018年に買収して獲得した技術だ。色識別技術を利用すると、複数のカード上の色を読み取ることができ、RVRの移動に役立つほか、状況に応じてすぐに色に基づく新たなプログラムを作成できる(全体として搭載されているセンサは、色センサ、光センサ、赤外線、磁力計、加速度計、ジャイロスコープだ)。
教育や家庭に焦点を当てた他のSphero製品と同様、RVRも基本的なリモコンアプリ「Sphero Play」や、教師とプログラミングに重点を置いたアプリ「Sphero Edu」に対応する。Sphero Eduはすでに、学校の授業計画やコミュニティーで共有されているプログラミングのアイデアと深く統合されている。ただし、この小型ロボットをSpheroの他の閉じられた製品から際立たせている理由は、上部を取り外して部品を追加できる機能にこそある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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