米陸軍、ドローンを投網で捕まえる砲弾の特許取得--ネットをかぶせて機能停止

 英国ガトウィック空港の上空にドローンが侵入したため、事故を未然に防ぐ目的で滑走路が閉鎖され空港の機能が麻痺した。同様のトラブルは世界各地で起きており、2017年には飛行機とドローンの衝突事故も報告されている。こうした行為は飛行機の運航を妨げるだけでなく、テロ活動や軍事攻撃に悪用される危険性もある。

 そこで、米陸軍はネットでドローンを捕獲して機能停止させる技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間2月5日に「SCALABLE EFFECTS NET WARHEAD」(特許番号「US 10,197,365 B1 」)として登録された。出願日は2017年10月20日。

登録された米陸軍の特許(出典:USPTO)
登録された米陸軍の特許(出典:USPTO)

 この特許は、砲弾をドローンなどの標的に向けて飛ばし、標的の近くで内部から網を放出させる技術を説明したもの。網をかけることで、標的の機能を奪う防御装置といえる。網を確実にかぶせるため、網の周辺には重りを取り付け、放出時には回転させることで広がりながら標的に向かって飛ぶようにする。

網を内蔵する砲弾(出典:USPTO)
網を内蔵する砲弾(出典:USPTO)

 実施例の図面には、クアッドコプターに網をかける動作が描かれている。ただし、クレーム(請求項)では、ドローンのような無人機だけでなく、ボートや自動車も標的にできるとの記述がある。

標的に網をかぶせる(出典:USPTO)
標的に網をかぶせる(出典:USPTO)

 なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。

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