英国の政治家らは現地時間2月17日夜遅く、フェイクニュースに関する手厳しいレポートを公開し、その中で、Facebookは故意かつ意図的にデータプライバシー法と反トラスト法に違反しているとして批判した。
レポートには、ハイテク企業とソーシャルメディア企業には、独立した規制当局によって監視される強制力のある倫理規定に従うことを義務付けるべきだと記されている。その規制当局には、規定に違反した企業に対して法的措置を講じる権限を与えるべきだとしている。
「Facebookのような企業が、自らを法に勝り法を超越する存在であると考えて、オンラインの世界において『デジタルギャング』のようにふるまうのを許してはならない」とレポートには記されている。
米会計検査院が米国時間2月13日に発行した56ページに及ぶレポートにも、同様の勧告がなされていた。
今回のレポートは、英議会のデジタル・文化・メディア・スポーツ(DCMS)委員会が、フェイクニュースと偽情報の拡散について2018年に実施した調査の結果として発行したものだ。
同委員会はその調査の一環として、ロシア干渉疑惑、広告ターゲティング、ユーザーのプライバシー権を侵害する形でのユーザーデータへのアクセスなど、Facebookが選挙結果に影響を与えた可能性がある行為を調査した。
レポートは、現行の選挙法がデジタル時代の目的に合っておらず、民主主義がオンラインの脅威にさらされていること、ソーシャルメディアを規制することがそのリスクの回避につながることを、結論として挙げている。また、調査の過程で出した以前の勧告を繰り返す形で、ハイテク企業の新しいカテゴリを定義し、それによってハイテク企業の法的責任を厳しくすることを求めた。また、それが必ずしもプラットフォームかパブリッシャーのいずれかであるとは限らないとした。
「このアプローチは、ユーザーによって投稿された後に有害であると判断されたコンテンツについて、ハイテク企業は法的責任を負うとみなすものである」とレポートには記されている。
同委員会は文書の中で、Facebookの一部のポリシーと行為を具体的に挙げて批判した。
DCMS委員会のDamian Collins委員長は声明で、「Facebookなどの企業は、市場において莫大な権力を行使し、そのプラットフォームに依存して顧客にサービスを提供する小規模な技術企業や開発者を虐げることによって、利益を上げることができる」と述べ、「『素早く行動し破壊せよ』というモットーに基づく同社の企業文化は、許可を求めるよりも謝罪した方が早いと考えているのではないかと思えることが多々ある」とした。
Facebookは、同社が反トラスト法やデータプライバシー法に違反したとする同委員会の主張を否定し、英国における欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票の際に、Facebook上で他国による組織的な干渉を示す証拠は見つからなかったと述べた。
Facebookの英国パブリックポリシーマネージャーを務めるKarim Palant氏は、政治広告を承認するための新しい規則を設けたことや、悪質なコンテンツの検出とそうしたコンテンツからのユーザーの保護に取り組むチームの規模を3倍に拡大したことなど、Facebookがこの12カ月間で導入した変更について述べた。
「政治広告のチャネルとして、当社ほどの透明性を実現し、ツールを提供するものは他にない」「まだやるべきことはあるが、当社は1年前とは違う」と同氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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