車のキーやキーフォブ(リモコンタイプのスマートキー)は、車の防犯にある程度役立つが、それ自体が盗まれるおそれもある。新たに公開されたAppleの特許は、モバイルデバイスを認証プロセスに利用することで、車の防犯性能をさらに高めようとするものだ。
「System and method for vehicle authorization」(自動車における認証のシステムおよび方式)と名付けられたこの特許は、米国時間2月7日に公開された。Appleは2017年に出願したこの特許で、モバイルデバイスと、さらには生体認証まで利用することで、車の防犯性能を高めようとしている。「キーやキーフォブを採用する車が備えているのは基本的な防犯性能であり、多数の改善による恩恵が見込める」と同社はこの出願書類の中で述べている。
このシステムの仕組みは複雑だが、利用者からはそれほどでもないように見える。車の所有者が近づくと、車がモバイルデバイスに信号を送信する。すると、接近を知らせる情報がモバイルデバイスから送り返されて、車が生体認証をリクエストする。あとは、モバイルデバイス側で生体認証すれば車を解錠できるというわけだ。
しかも、それだけではない。車はこの生体認証情報を利用して、どの登録済みユーザーが車に近づいているのかを判別する。これにより、車はそのユーザーに合わせて、シートの位置や好みのラジオ局などさまざまな設定を調整できる。もっとも、こうした仕組みは目新しいものではない。シートの位置やエアコンの設定を各キーフォブに登録する仕組みは、以前から存在しているからだ。だが、Appleのシステムには防犯機能が追加されている。
また、この特許出願書類には、ガソリンスタンドなど、ジオフェンス(仮想的な地理的境界線)が設定されたエリアに関する記述もある。たとえば、ガソリンスタンドのジオフェンス内にあると車が判断した場合、ガソリン代の支払いに関する情報を利用者のモバイルデバイスに表示し、車から出ることなく支払いを済ませることが可能になる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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