Googleは、Safer Internet Dayに合わせて、モバイル機器向けの新しい暗号化規格「Adiantum」の導入を発表した。
GoogleのAndroidセキュリティ&プライバシーチームは米国時間2月7日、新しい暗号化技術であるAdiantumを発表した。スマートフォンやタブレットで最新の暗号化規格を利用しやすくできるよう、特別に考案されたものだという。
Adiantumの狙いは、モバイル機器でデスクトップPCと同様の暗号化オプションを利用できるようにすることだ。
Adiantumは、システムの速度低下や、ハードウェアの追加による価格の上昇をもたらすことなく、ローカルデータを暗号化できるよう設計されている。
Adiantumは、暗号化用のARM拡張アーキテクチャを持たないローエンドのモバイルハードウェアに適している。新しいAndroid端末の大多数は、「ARMv8 Cryptography Extension」によってAES(Advanced Encryption Standard)にハードウェアで対応しているが、「ARM Cortex-A7」のようなローエンドのプロセッサを搭載するエントリーレベルの機器や低消費電力のスマート機器は、AESに対応していないため、ユーザー体験が非常に劣る上に速度が遅い。
これは、「ChaCha20」ストリーム暗号を利用するAdiantumの普及が期待できるニッチ市場だ。
Googleによると、新規格は十分に高速なので、ユーザーが期待し、現在経験している速度を妨げることなくローエンドのハードウェアに対応できるという。
Adiantumはスマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、そしてネットに接続している医療機器をはじめとする広範囲なIoTデバイスに対応するとGoogleは述べている。
「われわれが期待しているのは、Adiantumによってすべてのデバイスで暗号化を一般的なものにすることだ。テキストメッセージ機能のないスマートフォンを購入する気にならないように、デバイスのパフォーマンスのためにセキュリティ面で妥協することは許されなくなるだろう」と、Androidセキュリティ&プライバシーチームのモバイルセキュリティ戦略担当ディレクターであるEugene Liderman氏は述べる。「端末の価格に関係なく、誰もがプライバシーとセキュリティを確保すべきだ」(同氏)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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