Microsoftは、米国時間2月11〜15日に開催される医療情報管理システム学会(HIMSS:Health Information Management Systems Society)のカンファレンスで展示するヘルスケア分野向けの新しいツールや機能を発表した。「Microsoft Healthcare Bot Service」の一般提供を開始するほか、グループチャットプラットフォーム「Microsoft Teams」にヘルスケア専用の機能を追加する。また「Microsoft Azure」とTeamsで、医療記録の統合機能を提供する。
Microsoftは2017年に、研究プロジェクトとしてHealthcare Bot Serviceを開始した。ユーザーはこのボットサービスにより、チャットボットやAIを利用した医療用の仮想アシスタントを構築できる。一般提供を開始したHealthcare Bot Serviceは、電子医療記録との統合が可能だ。すでにこのサービスを利用して、Quest Diagnosticsなどが自社専用のボットを開発しているという。
Microsoftは1月、Teamsに、ヘルスケア業界の職員なども含む現場の最前線で働くファーストラインワーカーを対象とする新しいモバイル機能を追加すると発表した。セキュアなメッセージングやスマートカメラ技術も含まれる。同社は今回、新たに緊急メッセージのための優先度通知アラートや、スタッフが手術中などで対応できない場合に他の受信者にメッセージの対応を委任できるようにする機能など、病院環境に適した機能を追加する。現在、優先度通知の限定プレビューを実施中で、メッセージ転送機能は「近日中」に提供を開始するという。
さらに、医療情報の相互運用性の標準である「Fast Healthcare Interoperability Resource(FHIR)」向けにAzureのAPIを提供し、データをFHIR形式でやり取りしたり、管理できるようにする。MicrosoftはこのAPIとともに、関連するマネージド型PaaSサービスを用意し、関連データをクラウドに安全な方法で移すことができるようにする。また、Microsoftの関係者によれば、DapasoftやDaticaなどを含む、医療情報の相互運用性プロバイダーとの提携を通じて、FHIR対応の電子医療記録データをTeamsに統合できるようにする。
Microsoftは10年以上前にヘルスケア分野に参入したものの、その後買収したヘルスケア関連の資産の多くを売却していた。しかし同社は2017年に、ヘルスケアに注力する「Healthcare NExT」プロジェクトの立ち上げを発表した。ヘルスケアは成長中の広範な市場であるため、同社は最優先すべき市場の1つとして、取り組みを新たに強化しているようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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