2018年に見覚えのない番号から電話がかかってきたことがあったとしたら、それは同年に米国でかけられた263億回のロボコールのうちの1つだった可能性がある。この数字は電話の発信者IDサービスなどを手がけるHiyaの発表によるものだ。1人当たり1カ月に平均10件のスパムコールを受けた計算になるという。
Hiyaが米国時間1月29日に発表した報告書「Robocall Radar」によると、2018年のロボコール件数は2017年と比べて46%増加したという。
米連邦通信委員会(FCC)や通信事業者がスパム電話の対処策を講じているにもかかわらず、件数は増加している。FCCは2018年11月、企業から電話がかかってくることを許可した人の番号が、再割り当てされた番号ではないことを企業が確かめるのに利用できるデータベースを構築する計画を発表した。さらに同月、米通信大手のT-Mobileは過去1年半で10億件以上のスパム電話をブロックしたと発表した。2019年1月には、Verizonがスパム電話をブロックするツールをすべての顧客に無料提供すると発表した。
「FCCと米連邦取引委員会(FTC)に寄せられる苦情の中で、一方的なロボコールに対するものが最も多い。詐欺師が大きな利益を得ることができるため、絶え間なく続くこの問題はひどくなる一方だ」と報告書で述べられている。
Hiyaはさらに、最も多く標的にされている都市も明らかにした。ダラスが首位で、2位以下に同じテキサス州のフォートワース、サンアントニオ、オースティン、ヒューストンが続いている。
それにしてもなぜテキサス州がこれほどひどく標的にされているのだろうか。詐欺師たちは脆弱な集団を標的にしていると、Hiyaの製品管理担当ディレクターであるJonathan Nelson氏は声明で述べた。例えば、米国の国境のある州や通関手続き地では、税金の支払いを初めて行うとみられる人々やこれまでに税金を一切納めてない人々を狙った、米国税庁(IRS)を装った詐欺が多発している。退職者も同様に狙われている。テキサス州はどちらの人々も多いと、Nelson氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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