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2019年は“創意”と“執行力”--シャープ戴社長が語る8K、Dynabookと事業拡大

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 シャープ 代表取締役会長兼社長の戴正呉氏は1月30日、2019年最初の社長メッセージを、社内イントラネットを通じて配信した。

 「“創意”と“執行力”を高め、成長力を強化しよう」と題した今回のメッセージでは、この日発表した2018年度第3四半期決算の内容や、米ラスベガスが開催された「CES 2019」への出展内容、Dynabook株式会社などについて触れる一方、新たに「“創意”と“執行力”の強化に向けた全社運動」を展開することを発表。この活動を通じて、2019年度に向けた体質強化を進める考えを示した。

シャープ 代表取締役会長兼社長の戴正呉氏
シャープ 代表取締役会長兼社長の戴正呉氏

8Kは本格拡大フェーズへ、追い風受け「SHARP 8K LAB」開設

 冒頭、戴会長兼社長は、この日発表した2018年度第3四半期決算に触れ、「米中貿易摩擦や大手顧客の需要変動などを背景に、第3四半期は2四半期連続で、売上高が前年実績を下回った。しかし、第4四半期に20%を越える売上げ成長を見込むことで、2018年度通期では、前年実績を上回る売上高を予想している。残り2カ月、目標達成に向けて全力でがんばろう」と檄を飛ばした。

 また、「中期経営計画の最終年度である2019年度に向けて、今から成長のための布石を打っておくことは、極めて重要な課題である。そこで、1月中旬から、各事業本部長、BU(ビジネスユニット)の責任者とともに、2018年度の成果と課題の確認、2019年度の取り組みについて議論を重ねている」とし、具体的な取り組みとして、管理面では、調達、生産、販売までのすべてのプロセスの在庫をきめ細かくチェックし、常に適正水準が維持できる在庫オペレーションの検討を進めていくこと、成長力強化では、事業ごとに「新規事業の創出」、「グローバル展開」、「M&A/協業」、「競争力強化」の4つの重点とする取り組みを実現する戦略シナリオを構築することを示した。

 「その際には、シャープが経営信条に掲げる“創意”をいかんなく発揮し、これまでの延長線上にない新たなアイデアを織り込むとともに、そのアイデアを詳細なアクションプランに落とし込み、必ず実現する“執行力”をいかに高めるかが鍵になる」と訴えた。

 最初のテーマにあげたのが、1月8日から米ラスベガスで開催されたCES 2019である。シャープは、4年ぶりにメイン会場であるセントラルホールにブースを構え、「8Kエコシステムを構築する上で核となる、映像の撮影から表示までの一連のソリューションを提案するとともに、AIoTを活用した機器連携や『AQUOS zero』、『AQUOSサウンドパートナー』、『dynabook』を展示するなど、8KとAIoTの取り組みを大々的にアピールした。これまでに日本では約100件、アメリカでは約200件の記事が掲載され、とくに参考展示したプロシューマー向け8Kビデオカメラは驚きを持って報じられ、非常に大きな注目を浴びた」と振り返った。

 さらに、「展示会全体に目を向けると、サムスン、LG、ソニーに加え、複数の中国メーカーが8Kテレビの展示を行っており、2019年には、8K市場がいよいよ本格拡大フェーズへと突入していくことを物語っていた」と総括。「こうした流れは、8Kのリーディングカンパニーであるシャープにとって、絶好の追い風である」と位置づけた。

 また、「8K映像技術や伝送技術を核に、お客様に8Kソリューションを提供する新たな取り組みである『SHARP 8K LAB』を立ち上げた。さらには、プロサッカークラブのセレッソ大阪とスポンサー契約を更新し、8Kスタジアムソリューションの構築を狙う。テレビ事業に留まらず、幅広い分野で8Kエコシステムの構築を進めていく考えであり、今後も取り組みのスピードをさらに加速させ、8Kリーディングカンパニーとして、揺るぎない基盤を確立していきたい」とした。

 「CES 2019の会場では、各社からAIやIoT、5G、ロボットを活用した提案が数多くあった。だが、その内容は、『モノがネットにつながる』という提案から、『生活シーンにおけるユーザーの利便性や快適性の提案』にシフトしており、各社の工夫を見て取ることができた。技術面では、シャープは他社と同等か、それ以上の最先端技術を保有しており、まったく引けを取らないと考えている。今後の競争の鍵を握るのは、各社の“創意”である。シャープの最先端デバイスを活用した革新的な商品、サービスの創出を加速するとともに、各事業間の連携を一層強化し、お客様視点で、シャープならではの新たなソリューションを提案していこう」とした。

SHARP×Dynabookが持続的成長のキーワード

 2つめのテーマは、ASEAN事業である。同社では、海外事業の拡大を、成長戦略の柱にしており、そのなかでもASEANは成長エンジがンとしての役割を担う。

 戴会長兼社長は、「1月11日に、マレーシアで新製品発表会を開催し、ASEAN市場で初となる8K対応テレビの販売を開始した。また14日には、シンガポールで拠点設立33周年記念式典および新製品発表会を開催。家電製品やオフィス機器など、さまざまなシャープ製品を展示した。さらに23日には、空白地域のひとつであるミャンマーで、同国最大級の商業施設内にシャープのフラッグシップストアを開設し、これを皮切りに本格的な事業拡大に取り組んでいくことになる」とし、「今後ASEANでは、インドネシア、マレーシア、タイ、フィリピン、ベトナム、シンガポールの各国で、これまでの取り組みを定着、深化させるとともに、ミャンマーをはじめとして、当社が自社拠点を置いていない国々への横展開も加速していく」との姿勢を明らかにした。

 

 3つめのテーマが「Dynabook株式会社の本格始動」である。シャープが買収した東芝ブランドのPC事業を行う東芝クライアントソリューションを1月1日から、「Dynabook株式会社」(DBI)に社名を変更。さらに、1月17日には、新体制下で初となる新製品発表会を開催し、シャープとDynabookの技術を融合した新製品の第1弾となるモバイルノートPC「dynabook G」シリーズを発表した。

 「発表会には、通常の商品発表会の2倍以上のメディア関係者が来場し、『シャープグループの一員となったDBIの方向性がよく理解できた』、『今後の融合商品への期待値が高まった』などの声があがった。新生Dynabookのスタートを飾るにふさわしいイベントとすることができた」と振り返った。

 また「経営効率の向上と両社のシナジー創出を狙いとした拠点統合も着実に進展しており、国内では今期中に数多くの拠点の統合が完了する見通しだ。一方、海外においても、シンガポールではDBIの販売会社であるTCSAPLと、シャープの販売会社であるSSCのオフィスを、3月を目途に統合する。こうした取り組みを世界各国で進め、両社の強固な連携体制を確立していく」との方針を示し、「“SHARP×Dynabook”が、両社の持続的成長のキーワードのひとつである。今後も、シナジーの最大化に取り組み、事業拡大を実現していく」とした。

日米でシャープ製品が数々の賞を獲得「これらは創意の結晶」

 4つめのテーマに掲げたのが、「“創意”と“執行力”の強化に向けた全社運動」である。1月中旬から、各事業所や事業本部で、総務経費削減の取り組みを開始していることに触れながら、「この取り組みは、さらなる競争力強化に向け、いま一度、社員全員のコスト意識を高める狙いがある。電気、ガス、水道代の節約や、旅費交通費、事務用消耗品費の削減など、日常の細かなコスト削減を積み重ねることは大切であるが、これに加えて、各種契約を抜本的に見直すなど、社員全員で知恵を絞り、新たな発想や創意に基づく改革にチャレンジしてほしい。シャープが将来に渡って、持続的に成長し続けるためには、“創意”と“執行力”を強化し、次々とイノベーションを生み出していくことが不可欠である。こうした企業文化を社内に定着させるとともに、2019年度には具体的成果をあげることを狙いに、『“創意”と“執行力”の強化に向けた全社運動』を展開する」とした。

 全社運動の詳細については、社長室より通達することを示しながら、「優秀な部門には、社長特別賞の授与を予定している。すべての部門が積極的に取り組んでくれることに期待している」とした。

 ちなみにここでは、1月3日に米国で、DBIの産業用スマートグラス「dynaEdge AR Smart Glasses」が、「2019 IoT Enterprise Wearable of the year」を受賞したこと、1月9日にはデジタル複合機が、「2019 Copier MFP Line of the Year Award」と「2019 Pick Award」を受賞したこと、さらに、日本では、1月23日に、8Kテレビ「AQUOS 8K」がAV専門誌Hiviの「Hiviグランプリ2018」の最高位である「Gold Award」を受賞、1月24日には、有機EL搭載スマートフォン「AQUOS zero」が日刊工業新聞社の「十大新製品賞」における「日本力(にっぽんぶらんど)賞」を受賞したことも紹介。1月だけでこれだけの賞を受賞したことを指して、「これらは創意の結晶である。今後もそれぞれのBUから、高い評価が得られる製品やサービスを次々と創出してもらいたい」と語った。

 最後に、戴会長兼社長は、2018年10月30日に、高水準の優先配当や株式希薄化リスクなど、課題の多いA種種類株式20万株のうち、9万2000株を、851億円で取得することを公表したことについて触れながら、「今日、予定通りに、その取得が完了した。これは、シャープの経営改善が、さらに一歩前進した証であり、みなさんのこれまでの努力に改めて感謝したい。今後は、残りの10万8000株についても、取得を進めていく。そのためには、着実に利益を積み上げていくことが前提となる。さらなる事業拡大に全力で取り組んでいこう」と奮起を促した。

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