シャープは1月30日、2019年3月期第3四半期累計(2018年4~12月)の連結業績を発表した。米中貿易摩擦や顧客の需要変動などが売上に影響し、売上高は前年同期比3.2%減の1兆7715億円、営業利益は同3.0%減の682億円、経常利益は同12.8%減の620億円となったが、四半期純利益は同13.9%増の630億円と前年同期を上回った。
第3四半期(2018年10~12月)では、売上高が前年同期比10%減の6425億円、営業利益は同28.6%減の212億円、経常利益は同37.3%減の188億円、四半期純利益は同7.3%増の221億円となった。シャープ代表取締役兼副社長執行役員の野村勝明氏は「売上は前年同期を下回ったが最終利益と利益率は前年同期を上回っている」とした。
セグメント別では、スマートホームとスマートビジネスソリューションが堅調に推移したものの、IoTエレクトロデバイスとアドバンスディスプレイシステム部門が全体を押し下げた。
前年同期比で19.9%増となったスマートホームでは、掃除機や洗濯機が好調に推移したほか、2018年10月に連結子会社化した「Dynabook株式会社」の効果もあったとした。一方、同28.4%減となったIoTエレクトロデバイスは半導体が伸長したものの、センサ―モジュール、カメラモジュールが前年を下回る結果になったとのこと。また、同15.1%減となったアドバンスディスプレイシステムは、中国市場でのテレビ販売の抑制や、スマートフォン用パネルの需要変動などの影響を受けたとのこと。ただし、新4K8K放送が開始された日本国内は伸長している。
業績に減速感を感じる結果となった第3四半期を受け、シャープでは、2019年3月期通期連結業績予想の下方修正を発表。10月30日の公表時に比べ、売上高は2兆5000億円(前回発表予想は2兆6900億円)、営業利益は1070億円(同1120億円)、経常利益は960億円(同1010億円)としたが、当期純利益は前回発表時の900億円を据え置いた。
野村氏は「2019年度は中期経営計画の最終年度にあたる年。足元の経済環境は不確実性を増し、懸念している。新規事業の進捗などを考慮しつつ、現在経営計画の見通しを立てている。中国市場におけるテレビ事業については、量から質の方針を継続し、数を無理に追わない。現在8KやAIoTを活用し、テレビの高付加価値化を進めている」と現状を話した。
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