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日本のITベンチャーが続々と「オランダ」に進出する理由--WHILLなど3社に聞く - (page 2)

岡徳之 山本直子2019年02月09日 09時00分
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橋本氏 : オランダの人口は1700万人と、台湾(約2300万人)よりも少なく、九州の人口(約1300万)よりも少し多いくらいで、ビジネスの内容にもよりますが、オランダだけをターゲットとするのは規模が小さいのではないかな?と思います。

香田氏 : 橋本さんの意見に同感です。オランダの市場だけでは、人口・経済規模がどうしても小さいため、なかなか大きな事業に育てられないことは1つのデメリットであると思います。例えばオランダの人口・経済規模(GDP)と比較すると、ドイツは約5倍、フランスと英国は約4倍の規模を有しています。サッカーでオランダのリーグがドイツ・フランス・英国のリーグよりレベル的に劣るのと同様、経済・ビジネスでも規模だけで見たらオランダは欧州主要国より見劣りします。せっかく欧州に拠点を置くなら巨大市場の中にいたほうが良いという考え方もあります。ですが、やはり当社としては、あくまでもオランダを「市場」ではなく「ビジネスのハブ」と捉え、ここに拠点を置くことに決めました。

飯島氏 : オランダのミュージシャンも、基本は英語で歌うみたいですね。オランダ語だと売れる枚数が限られてしまって、回収できないので。もともと小さい国で「欧州が市場」みたいなところはあるのでしょうね。そうしたことと、英語の普及率が高いことや、先ほどのお話にも出た合理性やコンセプト・ドリブンの考え方はつながっていると思います。小さい国で移民も多く「隣人と話が通じるとは限らない」前提があるので、大事なことに絞って、クリアに相手に伝えていく。日本の、皆がバックグラウンドを共有していてツーカーで話が通じる環境とは、マインドとして真逆にあるというか。これは暮らしてみて実感したことです。

――最後に、いまオランダで事業をやるべき理由や日本の読者へのアドバイスをお願いします。

飯島氏 : オランダは日本と極端に違うけれども、外から入ってくるものに対してフラットだし、そういったビジネス、個人の働き方の「観点」をこれから学んでいきたいです。TAMの経営や事業に関する課題でも、それを打開するために欧州の観点やデザイン志向、働き方などを取り入れて、解決の糸口を探していければと思います。

橋本氏 : われわれがターゲットとする「コラボレーション」は世界中の課題ですし、僕らのようなツールを提供する場合、オランダに限らず世界展開を見据えなければならないと思っています。その世界展開の1つとしての欧州で、アムステルダムはいいところだと思います。すでに欧州中からいい人材を採用できました。ワーキングタイムも少しは日本と重なるし、米国よりやりやすいかもしれません。

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香田氏 : 高齢化・人口減少によってこれまで下支えとなっていた日本の国内市場は著しく縮小していく中、企業も個人もグローバルに出ていかないと沈んでいくだけという危機感があります。国外に出て異なる価値観・考え方を貪欲に採り入れることが必要不可欠です。

 あとは純粋にそのプロセスが楽しいですよね。先日他社のサービス導入責任者とランチをしていたら、彼が実は正社員ではなくフリーランスであり、週3日だけ空港で働き、他の日は自分のビジネスをしていると知りました。重要ポストを担っている人物ですよ?日本では考えられないことですが、「そういう生き方、働き方があるのか」と考えの幅が広がっていきます。

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