タニタ、脂肪の燃焼を“見える化”する機器やカード型活動量計など発表

 タニタは1月29日、ヘルスメーター発売60周年を迎えるタニタの新戦略として、(1)フレイルの予防・改善をサポートする「フレイル体組成計」、(2)脂肪の消費状態をリアルタイムで「見える化」する「脂肪燃焼モニター」、(3)さまざまなカードインフラと連携可能な「カード型活動量計」──の3つの新製品を開発したと発表した。

タニタ 代表取締役社長の谷田千里氏、ゲストとして登場した関根勤さん、関根麻里さん。手にしているのは、カード型活動量計だ。中央の機器は脂肪燃焼モニター
タニタ 代表取締役社長の谷田千里氏、ゲストとして登場した関根勤さん、関根麻里さん。手にしているのは、カード型活動量計だ。中央の機器は脂肪燃焼モニター

医療機関や検診施設、高齢者施設向けに「フレイル体組成計」

 フレイルとは、日本老年医学会が提唱した用語で、要介護状態に至る前段階として位置付けられる。

フレイルとは
フレイルとは

 フレイル体組成計「MC-780A-N」は、体脂肪率や筋肉量に加えて新たに身体的フレイルの指標となるMM/BW(体重に占める筋肉の割合)やASM/BW(体重に占める四肢骨格禁量の割合)を計測できるのが特徴。

 身体的フレイルの早期発見に向けた大人数のスクリーニングに活用できるプロフェッショナル仕様の体組成計だ。2月1日に発売で、価格は70万円(税別)。医療機関や検診施設、高齢者施設に向けて初年度100台の販売を計画している。

フレイル体組成計
フレイル体組成計

 筑波大学の監修による運動プログラムや「タニタ食堂」のノウハウを生かしたレシピなどとともに「フレイル予防・回復ソリューション」としてパッケージ化し、2019年度中に提供するとしている。

呼気から脂肪燃焼の状態がわかる「脂肪燃焼モニター」

 脂肪燃焼モニターはコンセプトモデルだ。脂肪が消費されて分解されると「アセトン」という物質が発生し、呼気として排出される。脂肪燃焼モニターは、この呼気中のアセトン濃度を計測し、脂肪の消費状態を脂肪燃焼度として6段階で評価するというもの。

このストローに息を吐くと、脂肪燃焼の状態がわかる
このストローに息を吐くと、脂肪燃焼の状態がわかる

 計測方法は、センサーユニットに取り付けたストローに約4秒間、息を吹き込むと計測が完了する。

 脂肪燃焼の状態を調べる方法としては、尿からケトン体試験紙を使って調べる方法も知られている。タニタによれば、尿を使うのでぼうこうにたまった後の状態となるのに対し、脂肪燃焼モニターは呼気から調べられるため、脂肪がどれくらい消費されているかをリアルタイムで把握できると説明する。体脂肪率や体重としての変化が現れる前に「これから脂肪が減っていく」状態が分かるとしている。

試してみたところレベル2で、あまり脂肪燃焼ができていない状態だった
試してみたところレベル2で、あまり脂肪燃焼ができていない状態だった

 ダイエットで健康的に脂肪を減らしたい人や、からだづくりのためにトレーニングに取り組む人への食事指導や運動指導に役立つとして、今後はフィットネスクラブなどに向けて、2020年度中の発売を目指し商品化を進めるとしている。

社員証に活動量計の役割も「カード型活動量計」

 カード型活動量計は、本機を携帯することで歩数や消費エネルギー量が自動的に計測できるとともに、他の計測機器と健康データベースをひも付ける認証キーの役割を担うというもの。

社員証として健康経営に活用してもらう狙いも
社員証として健康経営に活用してもらう狙いも

 免許証や保険証、キャッシュカードと同じサイズとなっているため、さまざまなカードインフラと連携できる。健康経営に取り組む企業の社員証や住民向け健康サービスを提供する自治体のマイナンバーカードと組み合わせることで、労働データや住民データと連携し、付加価値の高い健康サービスの提供が可能になるとしている。カード型活動量計は、企業や自治体などに向けて2019年10月頃の販売を予定しており、価格は1万円(税別)以下になるとしている。

さまざまな利用を想定したカード
さまざまな利用を想定したカード

平均寿命と健康寿命を近づける--生涯現役社会の実現へ

 2065年には日本の人口は8808万人(現在の約3分の2)に減少し、65歳以上の高齢者の割合は38%以上になる(出典:内閣府の平成30年版高齢社会白書)という。

2065年の日本(出典:内閣府の平成30年版高齢社会白書)
2065年の日本(出典:内閣府の平成30年版高齢社会白書)

 高齢化が進む中で、平均寿命と健康寿命のかい離から医療費が増大している背景がある。

 タニタ 代表取締役社長の谷田千里氏は、「個人の健康寿命をいかにその人の寿命に近づけるか。健康寿命を延伸し、だれもが健康で充実した人生を過ごせるよう、人生100年時代を見据えた生涯現役社会を実現したい」と語った。

 3つの製品は、生涯現役社会の実現に向けた「次世代健康づくりソリューション」の要となる技術だと説明する。

平均寿命と健康寿命のかい離
平均寿命と健康寿命のかい離

 また、生涯現役社会を実現するためには、あらゆる世代の健康意識を高めていく必要がある。タニタでは、体組成計や活動量計といった「健康をはかる」計測機器の開発・販売だけでなく、誰もが継続的に健康づくりに取り組める社会基盤づくりを目指して、グループ会社のタニタヘルスリンクが中核となって健康プラットフォームの構築を進めている。

 併せて、女性向けフィットネススタジオ「フィッツミー」や、健康的な食事を提供する「タニタ食堂」「タニタカフェ」など、さまざまな「健康をつくる」サービスを展開し、ハードとソフトを融合させた事業を拡大していくとしている。

健康プラットフォームの取り組み
健康プラットフォームの取り組み

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