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初心者の上達を導く卓球ロボット--オムロンが目指す「人と機械の融和」とは

坂本純子 (編集部)2019年01月10日 09時00分
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 オムロンは1月8日(米国時間)、ラスベガス市で開催されている「CES 2019」において、最新のAI技術を備えた第5世代の卓球ロボット「フォルフェウス」を披露した。同社は2018年に続く出展で、エリアはLVCC サウスホール2の26002ブース。

 フォルフェウスは、オムロンが目指す「人と機械の融和」を実現するコア技術「センシング&コントロール+Think」の進化を紹介するロボットだ。

第5世代の卓球ロボット「フォルフェウス」
第5世代の卓球ロボット「フォルフェウス」

 最新のAIや、ロボティクス、センシング&コントロールを搭載し、対戦相手を深く理解してひとりひとりに最適な支援を行うことで、人の能力や創造性を引き出す。

本体は、オムロンの産業機器がベース

 ロボット本体のポイントは、特別なものではなくオムロンが販売する産業機器をベースに作っていることだ。オムロン 技術・知財本部 組込システム研究センタ 無線・組込研究室の八瀬哲志氏は、「ロボットのためになにかハードウェアを新規に構築しているわけではありません。使っている画像センサーも工場で一般的に使われているカメラ」と説明する。

肘機構を追加し、返球できる球種が1種類から3種類へと向上
肘機構を追加し、返球できる球種が1種類から3種類へと向上

 第5世代モデルとなるフォルフェウスは、AIによるコーチング能力を強化し、対戦相手の動きや返球を予測する新たなビジョンシステムを備えた。自らトップスピンやバックスピンをかけられるよう「肘と手首」の動きを進化させ、卓球の技能を大幅に向上させている。

 「トップスピン、バックスピン、ドライブ、カットなど卓球が上手な人の技巧を実現しています。高精度なセンシングと回転値を推定する数値計算のアルゴリズムを改良しました」(八瀬氏)

 ラケットには、緑の丸がついており、その印をカメラで読み取りラケットの動きを見る。プレーヤーが“ギリギリ返せるか返せないか”という球をフォルフェウスが返せるのがポイントだ。

緑の丸をカメラで読み取り、ロボットがラケットの動きを見る
緑の丸をカメラで読み取り、ロボットがラケットの動きを見る

 「いいコーチは生徒に対して適切な負荷をつねにかけ続けます。いろいろな球を出せるようになったので、その人がとれるかとれないか、ギリギリのところを見いだしながら、自然とラリーをする中で人がどんどんうまくなっていくことを表現できたら」(八瀬氏)

ボールの3次元位置計測は左右にある2台のカメラで行い、Omronロゴの下にある高速カメラでラケットの動作測定をしている
ボールの3次元位置計測は左右にある2台のカメラで行い、Omronロゴの下にある高速カメラでラケットの動作測定をしている

 現在は4段階のレベルがあり、Beginnerからスタートし、だんだんラリーの負荷を上げていく。どこまでプレーヤーがついてこられるか、その人の動作や返しを見てその人のレベルを判別するという。

フレームの左右についているのはモーションカメラで、人動作計測をする
フレームの左右についているのはモーションカメラで、人動作計測をする

 またユーザーの動作を読み取って解析し、事前にフォルフェウスが持つ卓球が上手な人の動作データベースと比較することで、どれだけ上級者と似た動作をしているかを判断。もしユーザーの肘がブレていれば「肘をしっかり固定して打ちましょう」などとアドバイスをしてくれるコーチング機能も備える。

 なお、フォルフェウスは共同研究をしている関西大学の学生の動きを参考にしているという。一番上手な人で大学生のベスト16に入る人の動きを学び、プレーヤーとの違いを計算するという。

上級者の動きとの違いをもとに、アドバイスがもらえる
上級者の動きとの違いをもとに、アドバイスがもらえる

 「人の技術から学んで身に着けた高度な卓球技能を活用して人を教えます。工場では熟練者の技能が大きく、海外に工場をつくったときに新しく入ってきた人がいかに早く熟練者に近づけるかというのが課題です。そこにつながる技術だと思います」(八瀬氏)

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