ラスベガス・ストリップの少し南に、全長1.5マイル(約2.4km)のSpeedVegasサーキットがある。筆者は数年前にこのコースを2、3周走ったことがあるが、米国時間1月6日夜、再びこのサーキットを走る機会を得た。ただし今度は、ロケット・ラクーン(映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に登場するアライグマのキャラクター)やアイアンマン(映画「アイアンマン」の主人公)といっしょにスペースバトルを体験しながらだ。Audiのクロスオーバー車「e-tron」の後部座席に座り、仮想現実(VR)ヘッドセットの「Oculus Rift」を装着すると、筆者は宇宙空間を「飛行」している状態になった。そして、ロケット・ラクーンが筆者に小惑星や敵のドローンを「撃ち落とせ」と命令するのだ。
これは「Marvel’s Avengers: Rocket’s Rescue Run」と呼ばれるゲームで、新興企業のholoride(Audiが少数株を保有)が開発した初のデモ製品だ。この製品は、AudiとDisneyが車の同乗者にVR体験を楽しんでもらう目的で共同開発した新しいメディアフォーマットを利用して作られている。このメディアフォーマットは、人々が車に乗っているときに得られる感覚に合ったVR体験を「視覚的に」提供する。そのため、車がカーブを曲がったり、加速や減速をしたりすると、VR体験で同じ状況が再現されるのだ。しかも、この「体験」は、ゲームや映画であってもそれ以外の形態であっても、車が走る距離や動きに合わせて自動的に調整される。
holorideが提供するのは、いわゆる「エラスティック(弾力性のある)コンテンツ」で、その時々のドライブに合わせて自動的にコンテンツが生成される。たとえば、「iPad」に映画をストリーミング配信する場合、その映画は実際のドライブに合わせて時間が長くなったり短くなったりするが、いずれの場合も、車のナビゲーションシステムで設定されたルートの長さに合った時間に自動調整される。
さらに、体験の内容も実際の走行に合わせて調整される。あるデモでは、同乗者が「見ている」漫画のような色鮮やかな街並みの中に、実際の車が通過した交差点と同じような交差点が再現される。また、別のデモでは、先史時代の世界を眼下に恐竜を眺めながら「飛行」している画面が、車の実際のハンドルさばきに合わせて左右に旋回する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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