スマートフォンを持ち歩いていると、地図やSNSなどのアプリが絶えず現在位置を記録していく。近くにあるレストランを自動的に紹介されたり、その日どのような経路で移動したか教えられたりして、驚くこともある。
SNS運営企業はこうしたユーザーの位置情報を収益に結びつけようと、日々さまざまな技術を検討している。今回は、Facebookが考案した位置情報活用に関する興味深い技術を2つ紹介しよう。
1つ目は、ユーザーがどこへ移動するか予測し、それに応じた処理を実行する技術。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間12月6日に「OFFLINE TRAJECTORIES」(公開特許番号「US 2018/0352383 A1」)として公開された。出願日は2017年5月30日。
この特許は、ある時点におけるユーザーの所在地を何らかの方法で取得したうえで、過去の移動経路情報を参考にして次に訪れるであろう場所とそこへ至る経路を予測する技術を説明したもの。さらに、その移動中に無線通信できるかどうかについても予測し、通信できないと思われる場合はあらかじめデータをユーザーのデバイスへ送信しておく、という処理も実行する。
送信するデータとしては、映画の上映時間やレビュー、レストランの情報などが考えられる。
2つ目は、ユーザーの所在地をさまざまな電波信号から推測する技術。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間11月13日に「LOCATION PREDICTION USING WIRELESS SIGNALS ON ONLINE SOCIAL NETWORKS」(特許番号「US 10,129,705 B1」)として登録された。出願日は2017年12月11日。
この特許は、ユーザーの所在地を携帯電話ネットワークや無線LAN(Wi-Fi)、Bluetooth、NFCといった電波信号の特性から推測する技術を説明したもの。位置特定にはGPSを使うことが一般的だが、屋内などGPS信号の届かない環境ではこの技術が役立つだろう。また、電波信号の特性情報はデータベースに蓄積されるという。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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