上空から地表のようすを手軽に映像で調べられるドローンは、さまざまな調査や災害救助などで使われ始めている。単に空撮するだけでなく、映像でとらえた各対象物について、地表からの相対距離が分かると活用の幅が広がるだろう。ただし、ドローンを重くすることは避けたいので、高度な距離計測デバイスは搭載しにくい。
Amazon.com傘下のAmazon Technologiesは、ドローンの回転翼に取り付けた1台のカメラで距離計測する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間11月8日に「DETERMINING STEREO DISTANCE INFORMATION USING IMAGING DEVICES INTEGRATED INTO PROPELLER BLADES」(公開特許番号「US 2018/0324403 A1」)として公開された。出願日は2018年7月20日。
この特許は、ローターを回転させて浮上するタイプの飛行機において、ローターブレードに取り付けたカメラからの映像を利用して距離計測する技術を説明したもの。ローターは地表に対してほぼ水平に回す必要があるため、ヘリコプターやマルチコプターなどに適用される技術だ。
飛行中のローターは回転するため、カメラの撮影位置も変わる。これを利用すると、カメラが1台でも三角測量の原理で被写体までの距離を測れる。その結果、ドローンで撮影した映像に深度情報の付加が可能となる。
さらに、同特許では複数のブレードそれぞれにカメラを取り付けるなど、複数のカメラを利用する距離計測技術についても説明している。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」