Googleの最高経営責任者(CEO)であるSundar Pichai氏は、同社が中国に再参入することがあるとすれば、慎重なアプローチをとるつもりであることを示唆した。
Googleは、中国向けに検閲対応の検索エンジンを開発する「Project Dragonfly」をめぐって根強い批判を浴びている。このプロジェクトに対して、従業員らがストライキや辞職で抗議したほか、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルからも非難された。
「中国でサービスを開始する計画はない。同国には検索製品を提供していない」と、Pichai氏は米国時間12月11日、米下院司法委員会の公聴会で語った。Googleのプライバシーポリシーと事業慣行を対象とするこの公聴会には、かなりの注目が集まっていた。
Googleは中国への再参入計画について「全面的な透明性」を約束すると、Pichai氏は、Sheila Jackson Lee下院議員(テキサス州選出、民主党)の質問に対する回答の中で述べた。Pichai氏は、世界中の人々が情報にアクセスできるようにするというGoogleのミッションを強調して、そのような計画を進める可能性を残した。
その後公聴会の中でPichai氏は、Googleが社内でそのような検索エンジンに取り組んでいたことを認めたが、中国では実施していないと述べた。同氏は、その取り組みが検索チーム内で実施されていたとしつつ、「限定的な取り組み」だったと述べた。
「中国のような国で提供すると仮定した場合に想定される検索を開発し、調査した。われわれが調査したのはそうしたものだ」とPichai氏は述べ、一時は100人を超える従業員がこのプロジェクトに従事していたとした。
このプロジェクトは社内で「しばらく」続けられたが、長い時間をかけて開発して結局提供には至らなかった取り組みは他にもあったという。同氏は、検索エンジンについてGoogleが中国政府高官と議論したことはないとも述べたが、他の話題について議論したことがあったかどうかは明らかにしなかった。
複数の議員らが、ユーザーに対する検閲と監視を懸念として挙げた。こうした懸念を排除することを約束するように促されたPichai氏は、どのプロジェクトにも幅広く取り組んでいくという自身の意志を繰り返すにとどまった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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