あなたの位置情報履歴を1セント以下の少額で買いたいと言われたら、どう思うだろうか。
その履歴には、あなたが訪れた場所の正確な緯度と経度や、その時刻に至るまでが記録されている。そんな個人情報が政治や医療、レストランなど、多くの分野の広告主の手に渡るのを想像してほしい。
位置情報ベースのマーケティングと分析を手がけるReveal Mobileは、まさにユーザー1人当たり1セント以下の少額で「GasBuddy」からデータを購入することに同意した。GasBuddyは、ユーザーが地域で最も安価なガソリンスタンドを見つけられるように支援するアプリだ。
GasBuddyのようなサービスを提供する無料アプリには代償が伴う。ユーザーはプライバシーポリシーに隠された条件を認識することなく、自分のデータを提供することに同意するからだ。The New York Times(NYT)は米国時間12月10日に掲載した調査報道記事の中で、この手のアプリが広範に流通していること、そして、家庭や病院、学校、オフィスでユーザーを追跡する機能を備えていることをとりあげている。
位置情報データは天気予報やスポーツのスコアなど、一見無害なサービスを提供するアプリから抽出される。これらのアプリは通常、サービス(例えば、現地の天気予報)を提供するためにユーザーの位置情報を取得した後、その位置情報データをこっそりマーケターに販売する。
GasBuddyの広報担当者は声明の中で、「GasBuddyはガソリンを必要とするユーザーに、地域のガソリン価格やガソリンスタンド情報、ガソリンスタンドへの経路案内を提供するため、位置情報データを利用する。無料アプリなので、広告とデータライセンシングに依存している」と述べた。
2017年に提出された裁判所文書によると、GasBuddyは1000人のユーザーにつき9.50ドルで位置情報データをReveal Mobileに販売することで合意したようだ。この契約は2017年3月1日から実施され、GasBuddyはユーザーの緯度、経度、IPアドレスに関するデータと収集されたデータのタイムスタンプをReveal Mobileに提供した。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」