このアプリは、開かれていないときも、ユーザーの位置情報を利用していた。GasBuddyは1000万台以上の「Android」端末にインストールされている。
名前などの個人情報はそれらのデータに含まれていなかったが、GasBuddyはユーザーの「Ad-ID」を提供していた。Ad-IDは、オンラインでユーザーを追跡する広告に使用されるユニークなコードだ。
2017年の7月~9月に送付された請求書を見ると、GasBuddyは1カ月当たり450万人以上のユーザーの位置情報データをReveal Mobileに提供したようだ。Reveal Mobileはそのデータに月額4万ドル以上を支払った。
裁判所記録によると、Reveal MobileのGasBuddyへの支払いが何カ月にもわたって滞ったことを受けて、2017年11月、契約書と複数の請求書が公開文書になった。GasBuddyが訴訟を提起したとき、Reveal Mobileの負債額は21万9326ドル31セントに達していた。
GasBuddyは2018年1月、訴訟を取り下げた。同社はこの訴訟に関するコメントを控えた。広報担当者は、ユーザーが設定で位置情報追跡からオプトアウトできるようにしていると述べた。
GasBuddyとの係争にもかかわらず、Reveal Mobileは今も地震警報ツールや天気予報アプリ、複数の地方ニュースアプリなど、500種類以上のアプリに自社の位置情報収集コードを組み込んでいるという。Reveal Mobileにコメントを求めたが、すぐに回答を得ることはできなかった。
プライバシー問題に対する国民の懸念の高まりを受けて、米国の議員は連邦データプライバシー法案の策定に着手した。この法案は、5月に発効した欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)を参考にしている。
Mark Warner上院議員(民主党、バージニア州選出)は、「企業が収集している個人データ、それがどのように扱われているのか、そして、そのデータにはどれだけの価値があるのかについて、米国人は何も知らされていないことを示す驚愕の証拠だ。消費者は自らのデータを代償としているが、それが公正な取引なのかどうかを知る術はない」とツイートした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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