中国が、社会信用評価システムのようなものを使ってであれ、伝統的な国内監視の形式を通じてであれ、国民を監視したがっているのは広く知られている。現地時間11月30日付けのAssociated Press(AP)の報道によると、中国政府は代替エネルギー車のメーカーに、車両の位置情報の提供を命じているという。車両の所有者は情報が提供されることを知らされない場合が多いと、APは報じている。
中国政府は、提供されたデータを治安やインフラの改善、そして代替燃料車のための助成金が悪用されないことを確かめるために用いると述べているという。しかし、このプログラムの批判者たちは、収集されるデータの種類や量は政府が目的を達成するのに必要としている以上のものになると主張している。
「政府は国民の日々の行動について多くを知ることになるだろう。そしてそれが、私が『ユビキタス監視』と呼んでいる、国民がすることのほぼすべてが記録され、保存され、ひいては生活や自由に影響を及ぼすため利用される可能性のある状況だ」と、ジョージ・W・ブッシュ元米国大統領の下で米国国土安全保障省長官を務めたMichael Chertoff氏はAPに述べた。
中国政府が車両追跡を行おうとしたのは今回が初めてではない。これまでの構想は、特定の地域の住民にGPS装置を車両に取り付けるよう命じて追跡できるようにしたり、市内の特定の場所で読み取られるRFIDステッカーを車両のフロントガラスに貼るよう住民に命じたりするものだった。
今回行われようとしているプログラムとこれまでのものとの主な違いは、今回は車両メーカーからじかに提供されるデータを当てにしているという点だ。米国では、政府がこういった情報を入手するには裁判所命令が必要になるが、急成長している中国自動車市場への参入が認められるという経済的利益を理由に、メーカーは応じる意向を示しているとAPは報じている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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