Airbnb公認の民泊住宅「ORANGE DOOR」が誕生した。ホスト、ゲスト用に2つの玄関を備え、プライバシーに配慮しながら、交流が生まれやすいよう、広いLDKやルーフバルコニーを用意する。企画したのは、放送作家で脚本家の小山薫堂氏が率いるオレンジ・アンド・パートナーズ。開発施工は、首都圏を中心に不動産業を展開するオープンハウスが手がけた。
第1弾として、東京都荒川区に木造3階建ての戸建て住宅を建築。西日暮里駅から徒歩10分の場所に位置し、敷地面積は60.55平方メートル、建物延床面積は112.82 平方メートルで、販売価格は7389万円になる。
Airbnbでは、シェアリングエコノミーにおける新たなエコシステムの構築を目指し、産業横断型組織「Airbnb Partners」を設立。オレンジ・アンド・パートナーズとオープンハウスはともに名を連ねている。
ORANGE DOORは「旅の醍醐味は何と言っても地元の人々との交流。ただ泊まるだけではなく、人の出会い、交流を最大限にできるホームシェアリングを提供したい」(オレンジ・アンド・パートナーズ 代表取締役副社長の軽部政治氏)という思いから企画した住宅。内部には、セキュリティを確保しつつ、交流ができるという2つを実現するための工夫がちりばめられている。
ゲスト専用玄関を設け、ゲストスペースからホストの生活動線に入るドアはロックできるようにすることで、セキュリティを確保したほか、ゲスト専用のサニタリー&シャワールームを備え、プライバシーの保護を実現した。
一方で、約17畳のLDKやルーフバルコニーを交流スペースとして活用。ゲストルームにはディスプレイ棚を備え、ホストの好きなものや、日本文化を紹介できるようなものを置くことで、会話のきっかけにつなげるという。また、収納式の書斎となるレタールームも完備し、ゲストに手紙を書くことをおすすめ。「できれば筆と墨を用意して、日本の書道文化に触れながら手紙を書いてもらうようにしてほしい」(軽部氏)と、アイデアを紹介した。
Airbnb Japan 代表取締役の田邉泰之氏は「今までの住宅は、ホームシェアリングを前提に設計されていない。現在の形より、いい設計があるのではと考えていた」とし、民泊向け住宅に期待を寄せた。
第1弾が作られた西日暮里は、成田空港からのアクセスが良いほか、谷中、根津、千駄木といった人気の観光スポットからも近く、海外旅行客には人気のエリア。オープンハウス 取締役副社長の鎌田和彦氏は「区によって民泊に対する対応はまちまちだが、当該物件は、最大115日程度の民泊利用が可能なエリア」と説明。「今後第2弾、第3弾のORANGE DOORを作っていくことはもちろん可能」とした。
ORANGE DOORの第1弾は11月29日から販売を開始し、2019年5月中旬に竣工、6月上旬に引き渡し予定。販売開始にあわせ、Airbnb Partnersでもあるみずほ銀行が「ホームシェアリング対応型住宅」向け住宅ローンを発表。従来であれば、住宅ローンは自宅部分にのみ適用され、残りの宿泊部分は、多目的ローンなど別の形で資金調達をしなければならなかったが、今回の住宅ローンでは、自宅部分の床面積が50%以上の場合、住宅宿泊事業に活用するスペース部分も含めて1本の住宅ローンを利用できるとのこと。これにより、住宅ローンの金利でローンが組める。
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