Amazon.comは、これまでSF小説に描かれていたような未来の生活体験を、「Amazon Echo」などのスマートスピーカで次々と実現させている。ただし、スマートスピーカはあくまでも受け身のデバイスであり、ユーザーから命じられた内容に従って動く。
これに対し、同社傘下のAmazon Technologiesは、スマートスピーカが音声コマンドを受ける際にユーザーの声を解析し、解析結果に応じて求められたものと異なる対応を実行する技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間10月9日に「VOICE-BASED DETERMINATION OF PHYSICAL AND EMOTIONAL CHARACTERISTICS OF USERS」(特許番号「US 10,096,319 B1」)として登録された。出願日は2017年3月13日。
この特許は、ユーザーから明示的には求められていないものの、ユーザーが望むであろう動作を先回りして提案する技術を説明したもの。たとえば、ユーザーの声の調子を解析し、咳(せき)混じりだったり、鼻をすすったりしていたら、喉(のど)の具合が悪いと判断して咳止めドロップの注文を提案する、といった具合だ。
請求項(クレーム)には具体的な条件が記述されており、喉の痛みがある場合、興奮している場合、複数の人が話している環境にいる場合などを区別し、スマートスピーカとサーバーがやり取りしてそれぞれに応じた処理を実行するという。さらに、音声コマンドの発音が中国語アクセントかどうかに応じて処理仕分ける説明もある。
なお、特許とは、技術的アイデアの権利保護を目的とした公的文書である。登録されて成立しても、実際の製品やサービスで利用されるとは限らない。さらに、アイデアの存在を公知の事実にする目的で出願され、登録に至らず公開止まりになるものも少なくない。
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