積極的な特許戦略を推進しているAmazon.comは、多彩な特許を取得している。そうした特許のなかでもっとも有名なものは、「1-Click」特許だろう。商品の購入手続きを1クリックだけで完了させるアイデアを特許化したもので、同社の通販サイトに「1-Clickで今すぐ買う」ボタンとして実装されている。
これに対し、Amazon.com傘下のAmazon Technologiesは“1クリック注文”ならぬ、まばたきでユーザー認証する“1ブリンク注文”に応用可能な技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間8月2日に「IMAGE ANALYSIS FOR USER AUTHENTICATION」(公開特許番号「US 2018/0218371 A1」)として公開された。出願日は3月27日。
この特許は、何らかの手続き実行に必要なユーザー認証を、カメラ付きモバイルデバイスで処理する方法を説明したもの。ユーザーの顔に赤外線ドットパターンを投影し、カメラでとらえる2D赤外線映像とドットパターンの反射状況から、生身の人間が実際に手続きしようとしていることを確認するという。
ドットパターンの反射状況を解析し、顔画像のデータを深度方向の情報を含む3D画像としてとらえる、という技術もクレーム(請求項)に記載されている。こうすることで、カメラに写真やビデオを見せてユーザー認証や手続き開始の確認といった処理を突破する、という不正行為を阻止できる。
さらに、認証しようとしているユーザーに何らかの動きをするよう指示し、顔が指示通り変化するかどうか確認するアイデアにも言及がある。たとえば、ほほ笑む、ウィンクをする、首を傾げるなどの動作をさせることで、ユーザー認証するのだ。これを応用すれば、1ブリンク注文のような処理が実現可能になるだろう。
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