通販会社は、商品の保管用倉庫と購入者への出荷作業場所を一体化させ、巨大な配送センターとして運用することが多い。商品のピックアップ作業を機械化できればよいのだが、種類が多く形状も多種多様な商品をすべて自動処理することは難しい。そのため、作業員が広い倉庫を歩き回り、商品を見つけ出して集める、という作業が欠かせない。
これに対し、Amazon.comは傘下のAmazon Technologiesは、商品の置き場所を適切なタイミングで作業員に伝える技術を考案。この技術を米国特許商標庁(USPTO)へ出願したところ、米国時間8月2日に「AUGMENTED REALITY USER INTERFACE FACILITATING FULFILLMENT」(公開特許番号「US 2018/0218218 A1」)として公開された。出願日は2017年3月20日。
この特許は、倉庫で物品の位置を作業員に伝え、ピックアップ作業を省力化するウェアラブルデバイスに関する技術を説明したもの。物品の置き場所情報は、作業員の視野に指示を表示するユーザーインターフェイス(UI)で伝える。実施例では、作業員の見る景色に各種情報を重ねて表示する拡張現実(AR)ゴーグルで説明している。
表示する情報は、目的の物品と作業員の位置関係に応じて随時更新される。たとえば、まだ物品の置かれている棚がいくつもの棚を通り過ぎた先にある場合は、その棚へ向かう曲がり角の位置を伝え、目的の棚が近づいたら物品の位置を表示し、物品を識別できたら探している物であることを示す、といった具合だ。
作業員の位置情報は、倉庫の床や棚に張り付けられるQRコードのようなマーカーを画像認識して取得する。また、電波や光などを出すビーコンを受信して位置を判断することも可能だ。
さらに、物品のピックアップ後、次に探す物品の情報をARゴーグルへ表示するアイデアも言及されている。
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