これから就職する世代の若者は自分のテクノロジスキルにかなり自信があり、人工知能(AI)の台頭も自動化も恐れていない。少なくとも今の段階では。
Dell Technologiesは、これから就職するいわゆるZ世代(1990年台半ばから2000年初頭までに誕生した世代)のテクノロジと就職に関する意識調査を実施した。
社会全般では職場と社会におけるAIの影響に関する懸念が拡大しているにもかかわらず、インタビューに答えた若者の10人中9人は「人間と機械が協力する時代」を迎えつつあると答え、51%は人間と機械はチームとして共に働くようになると答えた。
また、AIが無意識に社会の既存の偏見を長引かせることを明らかにした事例があったにもかかわらず、調査結果はこの世代がAIに対してかなりポジティブであることを示唆している。全体の80%が、テクノロジとオートメーションによって(例えば性別、人種、年齢に基づく)偏見や差別が防止され、前世代よりも平等な職場環境ができると答えた。
こうした考え方が、実際に就職した後も変わらないかどうかはまだ分からないが、Z世代のテクノロジに対する考え方は極めて楽観的なようだ。AIやテクノロジ大手企業に対する疑惑や懸念が浮上してきている最近の世相とは対照的だ。
5人に4人は最先端のテクノロジと共に働きたいと答え、10人中9人が、似た条件の求人の中から選ぶ際に、企業が提供する技術のレベルが判断要因になると答えた。
Dell EMCで英国およびアイルランドの上級副社長を務めるClaire Vyvyan氏は「Z世代はそれ以前の世代よりも特にテクノロジ好きだ。企業は従来よしとしてきたテクノロジレベルとは違う職場を用意する必要がある」と語った。
調査によると、Z世代は知識の共有にも積極的という。77%が、自分たちのようにはテクノロジを扱えない上の世代の同僚を喜んで指導すると答えた。
Dellは新入社員と在籍20年以上の従業員をペアにする「逆指導」プログラムを実施している。
「50歳の従業員は20歳の新人からテクノロジやソーシャルメディア全般について学び、20歳は50歳が30年かけて身につけた意思決定方法を学ぶ」(Vyvyan氏)
Vyvyan氏は、「こうした逆指導プログラムは、会社全体で大きな効果を上げており、世代間統合にも役立っている。職場を民主化し、企業内の官僚主義や過度な上下意識を回避する1つの方法だ」と語った。
Z世代は自らのITスキルには自信を持っているが、雇用者が求めるソフトスキルや経験については心配している。73%が自分のITリテラシーを優れている、または非常に優れているとし、68%がプログラミングの技術を平均以上と自己評価している一方、キャリアのための準備という点で自身が受けた教育が優れている、または非常に優れていると答えたのはわずか57%だった。
ここにはいくつかの真実があるだろう。英マールボロー・サイエンス・アカデミーのRichard Atterton教頭は、教育機関にとっての課題の1つは、協力して働くことを学生に教えることだと語った。「テクノロジについて学ぶことに関しては心配する必要はない」という。
「学生たちはテクノロジ全般をこなすが、他人との交流や協力作業、問題解決に苦労するようになってきている。こうしたスキルは非常に重要だ。深刻な問題は、彼らが上司や同僚とコミュニケーションできないことだ。われわれの課題は極めて社会的だ」(Atterton氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス