米航空宇宙局(NASA)は現在、土星の衛星「タイタン」の探査をドローンで実行する計画「Dragonfly」について、実現可能性を検討中だ。
NASAは、惑星などの探査を実施するロボットを2020年代の中盤に打ち上げる方向で準備を進めている。Dragonflyは、12種類提案された探査テーマの最終候補として残った2プロジェクトの1つ。将来の本格的なタイタン探査に向け、着地可能な地点を探す事前調査がその目的。
タイタンは土星最大の衛星で、大気を持つほか、液体のメタンやエタンでできた海があり、生命存在の可能性が指摘されている。Dragonflyはドローンをタイタンの地表に降ろし、数十カ所で生命活動に関する化学反応の有無や、居住可能かどうかなどを調べる計画。
Dragonfly計画の想像図を見ると、使用するドローンはローターが4個のクアッドコプターに見えるが、4組のダブルローターを備えており、合計8個のローターを回転させて飛行するらしい。ちなみに、NASAは大気が極めて薄かったりほぼ真空だったりする環境でも飛行可能な、ガスを噴射して飛ぶ仕組みのドローン「Extreme Access Flyers」も開発している。
なお、Dragonflyとともに検討が進められているもう1つのプロジェクトは、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(すいせい)からのサンプル(標本)リターンを目指す「Comet Astrobiology Exploration Sample Return(CAESAR)」。この彗星は、欧州宇宙機関(ESA)が探査機「Rosetta(ロゼッタ)」で調査し、最終的にRosettaを衝突させたことで知られている。
両プロジェクトは資金援助を受け、2018年末まで計画のブラッシュアップを続ける。NASAは、2019年春にどちらのプロジェクトを継続させるか決める予定。
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