ミクシィは11月8日、2019年3月期第2四半期決算を発表した。売上高は364億8300万円(前年同期比19.0%減)、営業利益は96億9400万円(同42.0%減)、経常利益は97億5800万円(同42.6%減)、純利益は56億3000万円(同50.7%減)となった。
事業別では、エンターテインメント事業の売上高が353億3500万円(前年同期比21.1%減)、ライフスタイル事業の売上高が11億4800万円(同57.2%減)となった。ミクシィ 代表取締役社長執行役員の木村弘毅氏は「エンターテインメント事業は『モンスターストライク(モンスト)』の売上増加により、前四半期より増収となった」と説明した。また、ライフスタイル事業に関しては、「マッチングサービスを展開していた連結子会社Diverseの株式譲渡が7月に完了したことにより、前四半期より減収となった」とした。
売上原価は、モンスターストライクの売上の影響で、外注費が増加した。広告宣伝費は、XFLAG PARK 2018を期をまたいで開催したことにより、第2四半期にも開催日数分が計上された。また、人気IPとのコラボによる広告費や、7月に配信開始したモンストのアニメについても計上している。
ミクシィは決算会見にあわせ、2019年3月期通期業績予想を下方修正したと発表。通期業績予想を、売上高では1750億円から1550億円に、営業利益では480億円から420億円に変更した。木村氏は、これを「モンストの売上減少によるもの」だと説明。モンストのアクティブユーザー数が期初の予想より低調に推移しているほか、ARPPU(ユーザー1人あたりの平均収益)も、第1四半期で想定を下回ったことが原因だという。モンスト関連の営業利益減少で110億円を計上したが、デジタルエンタメ領域にてリリース延期や事業中止などにより投資額を見直したため、合計で60億円の営業利益減少となった。
ミクシィではデジタルエンタメ領域において、モンストの国民的IP化と新たなIPの創出を目標に掲げている。2019年3月期の事業戦略では110億円の投資を予定していたが、木村氏は「新規ゲームタイトルと新規IPのリリースが一部来期に延期となることに加え、通信系新規サービス事業を中止したことにより、今期の費用計上額は合計で50億円減額となる見込み」だと述べた。
エンタメ事業の核となるモンストについては、9月のリリース5周年にあわせてキャンペーンを展開。人気IPとのコラボ企画を開催したほか、アニメ新シリーズの配信や劇場版アニメの公開、大型アップデートの実施もあわせ、アクティブユーザーが増加したという。木村氏は、年末年始に向けてユーザーの熱量を盛り上げるため、各種施策を展開すると語った。
デジタルエンタメ領域において掲げている「新たなIPの創出」については、新作アクションゲーム「モバイルボール」の配信を、2018年冬から2019年春に延期すると発表した。これについて木村氏は、「開発の遅れが原因」だとした。一方、新作アニメ作品「プロメア」については、2019年の公開が決定したという。
エンタメ事業ではデジタルエンタメ領域のほか、スポーツ領域においてスポーツ業界とのリレーション構築などを目標に掲げている。第2四半期では、スポンサー契約中のFC東京と千葉ジェッツふなばしのそれぞれの試合において、XFLAGの冠試合を開催した。FC東京の試合ではモンストユーザーを無料招待したほか、千葉ジェッツふなばしの試合では演出やパフォーマンスで盛り上げたと説明。木村氏は、「われわれが得意とするマーケティングをスポーツの領域に生かし、今後も事業を拡大したい」とコメントした。
このほか、ライフスタイル事業では、メディア領域に15億円、ウェルネス領域に5億円を投資する。メディア領域については、既存事業のグロースと新規事業の開発を進める。ウェルネス領域では、高齢者向け運動プログラムサービスが研究開発中であるほか、トライアル店舗を今期中に開設すべく準備中だという。家族アルバム「みてね」は、前期において国内利用者数が300万人を突破しており、木村氏は「テレビCMの放映などにより、ユーザー数を積極的に伸ばしていきたい」との考えを示した。
ミクシィでは来期以降、モンスト5周年キャンペーンによって向上したユーザーの熱量を年末年始のキャンペーン展開まで維持するとともに、アニメやeスポーツなどの多面展開を継続し、アクティブユーザーの増加につなげる戦略だ。木村氏は、「モンストから生み出されたキャッシュフローを新規事業に投資し、今後の成長の柱を作っていきたい」と語った。
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