ソフトバンク、国内通信事業の人員を4割削減へ--料金競争に向けて

 ソフトバンクグループは、11月5日に開催した2019年3月期第2四半期の決算説明会において、子会社であるソフトバンクの国内通信事業の人員を4割削減することを明らかにした。

決算説明会に登壇するソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏
決算説明会に登壇するソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長の孫正義氏

 この人員削減は、菅義偉官房長官が、携帯電話料金の大幅値下げに言及したことに端を発し、NTTドコモが新料金プランの導入で携帯電話料金を2〜4割値下げすることを明らかにするなど、携帯電話料金の低価格競争が急速に進むことを受けて実施されるもの。低価格を実現する上では業務効率の改善が必要であり、そのためにRPA(Robotic Process Automation:業務の自動化)を積極導入することで、人員削減を推し進める考えだ。

 人員削減の時期について、ソフトバンクグループ代表取締役会長 兼 社長の孫正義氏は「具体的に決めていないが、これから2〜3年になると思う」と話し、段階的に人員削減を実施していく考えを示した。

 ただし、削減した人員については「涙を流して社員を減らすのではなく、笑顔で新しい事業に取り組めるようにする」(孫氏)と説明。削減対象となる社員は、ソフトバンクやヤフーが、投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の出資先企業と合弁で立ち上げる企業などに移るものと見られる。

携帯電話料金の値下げをしながら増益を達成するため、通信事業の人員を4割削減するが、その人員は新規事業へとシフトさせるとのこと
携帯電話料金の値下げをしながら増益を達成するため、通信事業の人員を4割削減するが、その人員は新規事業へとシフトさせるとのこと

 ドコモは新料金プランの導入などで、年間4000億円の顧客還元が必用になるとしたが、孫氏は「低価格だから減益してということは、ゼロから創業したソフトバンクとしては言い訳として使いたくない」と回答。料金の値下げを人員削減による効率化や、他の事業の拡大で補うなどして、ソフトバンクの増収増益と5000億円規模の安定したキャッシュフロー創出を維持する考えを示した。

 また、料金引き下げ策の一環として、ソフトバンクはワイモバイルブランドにも、端末代と通信料金を分離した「分離プラン」を2019年度に導入することも明らかにした。ソフトバンク代表取締役社長執行役員 兼 CEOの宮内謙氏によると、詳細についてはこれから決めていくそうだが、分離プランの導入によって「(料金は)当然下がることになると思う」としている。

すでに分離プランを導入したソフトバンクブランドに続いて、ワイモバイルブランドでも分離プランを導入し、通信料金を一層引き下げるという
すでに分離プランを導入したソフトバンクブランドに続いて、ワイモバイルブランドでも分離プランを導入し、通信料金を一層引き下げるという

 一方で、ソフトバンクはドコモが新料金プランの軸にするとしている、分離プランをすでに「ウルトラギガモンスター+」などで導入しており、「料金は2〜3割下がっている」と宮内氏は話す。孫氏も、ワイモバイルが低価格市場でトップシェアを持つこと、そしてウルトラギガモンスター+の1Gバイト当たりのデータ通信料金が非常に安いことなどを挙げ、現在の料金プランでも十分お得とアピールした。

孫氏は「ウルトラギガモンスター+」の1Gバイト当たりのデータ通信料が非常に安いなど、料金のお得さもアピールしていた
孫氏は「ウルトラギガモンスター+」の1Gバイト当たりのデータ通信料が非常に安いなど、料金のお得さもアピールしていた

 にもかかわらず、さらなる低価格化のため人員を削減するのはなぜか。この点について孫氏は、「ドコモの料金プランは来春まで、一体いくらになるのか表明されない。どのような状況になっても言い訳抜きで増益を達成するには、コストダウンを図って経営効率を上げる必要がある」と答えた。

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