PayPalは米国時間10月27日、ソーシャルネットワークのGab.aiのアカウントを停止した。米ピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)銃撃事件の容疑者が、同サイトに反ユダヤ主義的な書き込みを数多く投稿していたという報道を受けてのことだった。同サイトでは保守派や白人至上主義のオルタナ右翼のユーザーが多く書き込みをしているとみられている。
「Gab.aiが憎悪や暴力、差別的不寛容を永続的に許容していることが明白なため、われわれは早急に断固たる処置を取らなければならなかった」とPayPalの広報担当者は電子メールで述べた。「PayPalはGab.aiを注意深く監視してきており、今回の悲劇的な事件が起きる前から同サイトのアカウントの停止に取り組んでいた」とも述べている。
10月27日、米CNNは、シナゴーグ「Tree of Life」で起きた銃乱射事件のRobert Bowers容疑者が、難民を助けているユダヤ人のグループが南米の移民集団の移動を支援しているとGab.aiに投稿したと報道した。Bowers容疑者が移民を、米国を脅かす暴力的な「侵略者」だと見なしていたという。
CNNの報道によると、シナゴーグ銃撃についての最初の緊急通報が行われる5分前、Bowers容疑者はGabに「私は、私の人々が虐殺されるのをただ座って見ていることはできない」などというメッセージを投稿したという。この銃撃により、少なくとも11人が死亡した。さらにBowers容疑者はGabに自分の銃のコレクションの写真も投稿していたと、CNNは報じている。
米CNETは27日、Gabに取材したところ、GabはMediumに掲載した声明を提示した。声明には、「テロや暴力などの行為を糾弾し、一切容認しない」と書かれていた。今回の銃撃事件のニュースや「あらゆるソーシャルメディアのプラットフォームに存在する犯罪者や犯罪行為」に「心を痛めていて、嫌悪感を抱いている」と述べた。
「Gabの使命は至って単純で、オンライン上でのあらゆる人々の表現の自由と個人の自由を守ることだ」とも声明で述べている。Gabは、Bowers容疑者が同サイトにアカウントを持っていることを銃撃事件のすぐ後に突き止め、アカウントのデータのバックアップを取り、アカウントを停止し、米連邦捜査局(FBI)に同容疑者の投稿について報告したと述べている。
Gabは、ドメインプロバイダーのGoDaddyから、別のサービスに移行しなければオフラインにするという通知を受けたとツイートしていた。その後、Gab.comはサービスを停止している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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