Microsoftの幹部らは、社員から反対の声があるにもかかわらず、米国の軍事に関わる契約の入札に参加する方針を堅持する意向を明らかにした。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSatya Nadella氏とプレジデント兼最高法務責任者(CLO)のBrad Smith氏は米国時間10月25日、従業員らに対し、米国防総省の巨大クラウドプロジェクト「JEDI」(Joint Enterprise Defense Infrastructure)こそMicrosoftが尽力したいと思うような取り組みだと伝えた。同社が26日に掲載したブログ記事で明らかにした。一部のMicrosoft社員はJEDIの入札参加に反対していた。
JEDIには、国防総省の膨大な量にのぼる内部データや処理能力を、商用運用されるクラウドシステムに移行する作業が含まれる。
Smith氏は、26日のブログ記事で次のように述べている。「われわれは、この国の国民、特にこの国に奉仕する人々に、Microsoftで働くわれわれが彼らを支えていることを知ってほしい。これらの人々は、われわれが生み出す最高のテクノロジを利用できるようになる。われわれは、Microsoftで働く全員が会社のすべての方針を支持するよう求めることはしないし、そう期待することもしない」(Smith氏)
もし社員が別のプロジェクトに取り組みたいのであれば異動を希望できるとSmith氏は述べた。同氏は、米軍と協力することで起こり得る倫理的な問題にMicrosoftは及び腰にはならないことを明確に示した。
Smith氏は、「あらゆるテクノロジ分野の人々にとって重要なのは、米軍にとって倫理的問題は新しいものではない点を認識することだ」と指摘しつつも、「この市場から撤退することは、新しいテクノロジをいかに責任あるやり方で最適に利用できるかについて、国民的議論に参加できる機会を減らすことになる。われわれは未来から撤退するつもりはない」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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