Facebookは、選挙干渉工作に関与していると同社が判断した、イラン関連の82件のページ、アカウント、グループを削除した。米国時間10月26日付けのブログ記事で明らかにした。これらのアカウントは、米国や英国の居住者を装い、人種問題や移民、Donald Trump米大統領に対する反対意見などの内容を投稿していたという。
Facebookのサイバーセキュリティポリシーを統括するNathaniel Gleicher氏は、26日の電話会議で、「その内容は、広範囲にわたる分断を目的とした他の主要な活動でわれわれがこれまでに目にしてきたものと一致しているようだ」と述べた。
Gleicher氏は、こうした悪質な活動を展開する人の目的を正確に理解するのは「常にやや難しい」とし、Facebookはその動機を評価する立場にはないとも述べた。
11月6日の米国中間選挙を前に、Facebookは相次いでアカウントの削除を発表している。同社は、米国外による干渉から選挙を保護する対策を強化する必要に迫られており、最近、「election war room」(選挙対策の作戦室)を公開した。TwitterやYouTubeなどのFacebookと競合するソーシャルメディアも、有権者の分断を狙う偽情報拡散活動の阻止に奮闘している。
今回削除されたページは、「Wake Up America」(目を覚ませアメリカ)、「Thirst for Truth」(真実への渇望)、「No Racism No War」(人種差別反対、戦争反対)といったページ名のものなどで、最近の出来事を捉えたものにもなっていた。Facebookがサンプルとして挙げたあるページには、米最高裁判事に指名されたBrett Kavanaugh氏の物議をかもした公聴会の風刺画が掲載されていた。削除された別のアカウントは、Trump大統領について「米国史上最悪で最も嫌われた大統領」と投稿していた。
Facebookは、今回新たに削除したものと、8月に削除したイランのアカウントやページに関連があったと述べている。しかし犯人らは、ただ反サウジアラビアや反イスラエルといったコンテンツではなく、人種や警察の蛮行などの問題について投稿し、Facebookの検出を免れる動きを強めているようだ。また最近では、米ドルやカナダドルで、FacebookとInstagramの広告2件を購入している。
FacebookとInstagramで今回削除されたアカウントは、その投稿に対してユーザーに共有または返信させることに重きを置いているようでもある。大西洋評議会のデジタル科学捜査研究所(Digital Forensic Research Lab)によると、「I Need Justice Now」(今すぐ正義が必要)という名前のあるアカウントの動画視聴回数は、1300万回を超えていたという。
Facebookは約1週間前に、今回削除したイラン関連アカウントについて最初に認識したが、同社はイラン政府との関連については発見できてはいない。
Facebookは、これらのアカウントは「組織的ななりすまし行為」に関与しており、ユーザーに誤解を与えるため、Facebookのプラットフォームでは許されないとしている。Facebookはこれらのアカウントの内容ではなく行為を調査して、削除するかどうかを判断したとGleicher氏は説明している。
約102万件のアカウントが、今回新たに削除したイラン関連ページの少なくとも1つをフォローしていたと、Facebookは述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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