「Android」ユーザーを取り込むために、サードパーティーのハードウェアメーカーはどちらの道を進むべきだろうか。Googleが開発者向けイベント「Google I/O」で示した道だろうか。それとも、独自のハードウェアという道だろうか。2018年、Googleが本社のあるカリフォルニア州マウンテンビューでのGoogle I/Oで発表した開発者向け情報と、ニューヨークでの「Made by Google」イベントで披露したオリジナル製品の間には、地理的距離以上の隔たりがあった。
まずは、最新版のAndroidを搭載するGoogleの新スマートフォン「Pixel 3」だ。Pixel 3のデモは比較的簡潔なものではあったが、Googleは人工知能(AI)がこのオリジナルスマートフォンの最新モデルをいかに改善したかを強調した。AIは、最近の流行になっている写真機能だけでなく、革新的な「Call Screen」機能にも採用されている。これは、スマートフォンがユーザーと対話するのではなく、ユーザーの代理として通話するようになる未来への小さな一歩だ。だが、Googleのすべてのコンシューマー向けスマートデバイス構想の中で、「Android 9 Pie」は少なくともGoogleによるサポートが必要だ。
Googleは、自社の構想を破棄したり既存の構想と競合する新たな設計を作り出したりしていることを示した。例えば、「Chrome OS」ベースのタブレット「Pixel Slate」を紹介する際、Googleは間接的に「iOS」のような、そしてAndroidのようなスマートフォン向けOSを批判した。Androidはタブレットには向かない。
そして、より新しいカテゴリでは、Googleは「Google Home Hub」で、「Echo Show」の新モデルやFacebookのAlexa搭載動画チャットデバイス「Portal」に新たな戦いを挑んだ。だがこのデバイスは、Googleがレノボなどのパートナーメーカーに提供したスマートディスプレイ向けプラットフォームを採用していない。一見、「Google Home」シリーズの拡張版のようであり、「Googleアシスタント」を使えるにもかかわらずだ。どちらかといえば、スマートホーム機能に重点を置いているGoogle Home Hubは、Googleのハードウェアグループに統合される前にNestで開発されたような印象だ(余談になるが、Vivintのような老舗のホームオートメーション企業がモニタリング製品から離れつつある今、セキュリティを扱う企業がモニタリングデバイスを製造しているのは興味深い)。
実際、Googleのスマートホーム事業のペースがここのところ落ちている原因の1つは、Nestの統合にあるのだろう。GoogleのスマートウォッチOS「Wear OS」のファンは、このホリデーシーズンにLGのような大手からTicwatchのような小規模メーカーまで、さまざまなメーカーの製品を購入できるだろうが、Google製は発売されない。Googleはまた、「Daydream」のヘッドセットも、2017年に発表した小型カメラ「Google Clips」も、2018年には更新しなかった。
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