公的資金を管理し、Facebookの株式を保有する複数の州当局の責任者らが、同社最高経営責任者(CEO)を務めるMark Zuckerberg氏の会長職解任案を支持した。
イリノイ州、ロードアイランド州、ペンシルベニア州の財務官とニューヨーク市の会計監査官が米国時間10月17日、独立した立場の人物を会長にすることをFacebookの取締役会に求める株主提案に、共同提案者として署名したという。この提案はもともと、投資会社のTrillium Asset Managementが6月に提示していたものである。
Facebookからこの件に関するコメントは得られていない。
提案はほとんど形式的なものに過ぎない。Zuckerberg氏は、大量の多議決権株式を所有しており、議決権の60%近くを握っている。多議決権株式には、普通株式の10倍の議決権がある。
それでも、17日の動きは、Facebookの経営が不安視されていることを浮き彫りにしている。Zuckerberg氏以外の人物を会長に置くことを求める声は、Facebookに多額の資金を提供する一部の人々が、多数の危機に見舞われる同社に新しい方向性を求めていることを表している。
今回の解任案に先立ち、Facebookは9月、大規模なデータ流出があったことを公表し、2900万人分の個人情報がハッカーに盗まれたことを明かしていた。解任案では、その他の最近の事件に対するFacebookの「対応の不備」も指摘されている。同社は未だに、米大統領選に対するロシアの干渉や、英国を拠点とするコンサルティング企業Cambridge Analyticaが8700万人分のFacebookユーザーの情報を許可なく収集していた問題から立ち直れていない。
「Facebookの統治体制は、投資家らを危険にさらし続けている」とイリノイ州のMichael Frerichs財務官は声明で述べた。「今こそ変化すべきだ。投資家らの信頼を回復し株主の利益を守るために、取締役会に対するMark Zuckerberg氏のさらなる説明責任を求める必要がある」(Frerichs財務官)
2017年の株主総会では、独立した立場の会長の起用を求める似た提案がなされたが、却下された。今回の提案は、2019年5月のFacebookの年次株主総会で投票にかけられる予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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