Facebookは、同プラットフォームから収集したユーザーデータを販売しているとする企業Social Data Hubが作成した66のプロフィールとページを無効にしたという。また、Social Data Hubに使用停止を求める文書も送付した。Social Data Hubの最高経営責任者(CEO)は以前、ロシア版Inc.の取材に対し、自分たちの会社はCambridge Analyticaと似たような企業だと述べていた。
Facebookのポリシーコミュニケーション担当ディレクターであるMatt Steinfeld氏は米国時間10月11日、Social Data Hubがどのようなデータにアクセスしていたかはまだ調査中だと語った。Social Data Hubがデータスクレイピングに利用した方法にもよるが、Facebookユーザーのプロフィールで公開されている情報や、非公開で投稿されたコンテンツなどが考えられる。
Facebookは声明で、「データスクレイピングは、どういう種類のものであれ、インターネットでの課題であり続ける」と述べた。「防ぐことが難しく、発生してしまうと検知が難しいことが多いので、今後こうした活動をより迅速に途絶させられるよう、他社や独立した専門家とより緊密に協力して情報を共有していく」(Facebook)
Social Data Hubは自社サイトで、「Facebookのロシア部分」のコピーのほか、TwitterやTumblerを含む米国のソーシャルメディアサイトや、OdnoklassnikiやVKontakteといったロシアのソーシャルメディアサイトのデータを持っていると述べている。
Social Data HubのCEOであるArtur Khachuyan氏は電子メールの中で、同社はロシア国外でデータスクレイピングは行っていないと述べている。「Facebookのプロフィール、それも特に、ロシア国外の市民のデータをダウンロードしてはいない。ロシアでは、こうした活動は、(EUの「一般データ保護規則」に似た)『N152-FZ 2006年7月27日の個人データに関する連邦法』で認められている」(Social Data Hub)
Khachuyan氏はさらに、政府と協力する関連企業のFubutechが、政府顧客のためにスクレイピング技術を開発中だが、Fubutech自体はスクレイピングを行わないと述べた。さらにKhachuyan氏は、ソーシャルメディアのデータの利用を含むジャーナリズム講座の講師を務めていると述べた。Social Data Hubの担当者によると、授業は政府からの公開データの利用にフォーカスしているが、ソーシャルメディアのデータを収集している生徒もいるという。
削除されたFacebookアカウントの一部は、データスクレイピングを実行した生徒のものだが、「収集したデータはすべて生徒たちによって削除され、ログはFacebookで提供されている。われわれは、アカウントの迅速な凍結解除を待っている。残念ながら、Facebookのロシア支部と速やかに連絡を取ることはできなかった」という。
Steinfeld氏によると、Facebookから公開されている投稿データを取得する企業は検知するのが最も困難で、それは彼らが活動を行ううえでFacebookのアカウントを登録する必要がないからだという。Facebookにはそういった企業を特定する技術があるようだ。同氏はメディアを通じてその技術が企業側に知られないよう、技術について公式に話すのを避けた。
アカウントの停止を通知した10月8日付けの文書に、Facebookは「Social Data Hubのウェブサイトは、同社がウェブスクレイピングを利用してFacebookとInstagramからデータを収集していることを認めている」と記した。
この文書の内容は米CNETに明かされていない。
Social Data Hubに送られた文書の中で、Facebookはさらに、「2018年4月に行われた記者会見で、Social Data Hubはエンドユーザーの許可を得ずにデータを収集していると述べた。さらにSocial Data HubとFubutechの顧客には政府の事業体や特殊法人、政府系報道機関も含まれると述べている。そしてSocial Data Hubが政府に対して行う業務には、利用者を特定するために彼らの個人的なソーシャルメディアのアカウントから抽出した写真に関するものが含まれるとFacebookが考えるだけの理由がある」と記した。
Facebookは声明で、同社のサービスでSocial Data Hubからのさらなるコンテンツを見つけ、削除していく見通しだと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」